第十九話 目覚め ページ21
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さく、さく……しょりしょり......
淡い光が廃墟の中に差し込んで、固まって寝ている子供たちの半身を照らす。
空間には寝息と、何かを切り分ける音に続いて摩り下ろしているような音が僅かに響いていた。
Aは穏やかな表情をして眠っている子供たちの表情を眺めながら大きなお皿に、切り分けた数種類の果物を盛りつけてもう一つの小皿に林檎を摩り下ろしたものと小さくカットした消化の良い果物を混ぜ合わせる。
大皿の果物は子供たちに。小皿の果物は負傷した少年に。
何故、食事を分けなければいけないのかと思うかもしれないが今の負傷した少年の体では固形物の食事は消化できないからだ。内臓機能が低下し、血液も不足している。
そんな状態で普通の食事をさせれば、食べても戻してしまうか、消化不良で下痢になってしまうであろう。
出来るだけ水分が多く栄養がある柔らかい食事が適しているのだ。
食事の支度が終わると視界の端で何かが動いた。
Aが動いたものを一瞥して確認すると小皿を持って目を覚ました負傷した少年の横へ座った。
「目、覚めたね。身体の調子はどうだい」
「全身が石にでもなったみたいだよ……」
そうかい。とAは笑いながら少年を診察するとどうやら自分の意志では指先しか動かせないようで、苦笑いする少年の筋肉を優しくマッサージしながら解していく。
暫くすると、筋肉の硬直が解け少年が腕を持ち上げた。
「どう？少しは動かしやすくなったかい」
「うん。さっきよりはかなり動けるよ。……、ありがとう」
少年が顔を傾けAと目を合わし突然お礼を言ったがどうやら、その言葉は全体に対してのお礼だったようだ。
「アンタがオレを助けてくれたんだろ、皆も治療してくれたみたいだし」
今回は本気で助からないと思ったよ。と苦笑する少年の頭を撫でると他の子供たちと同じように目を瞠ったが暫くすると柔らかい表情になりその行為を受け止めていた。
撫でるのをやめ、Aは少年にこれからの行動を怪我が治るまで暫く共にすること、周囲に食料を狙った者が集まりこの廃墟から住処を移すことを放した。
「ははっ、そりゃ早く移った方がいいな。アンタがいればオレを動かして傷口が開いても大丈夫そうだし」
どうやら、Aが着いてくることも塒を移すことも賛成のようで少年の言った冗談に軽く少年の額を叩くと目を丸くして、先ほどよりも笑い出す少年。
その声で、眠っていた子供達の目が覚めた。
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高校生(プロフ) - 皆様、現在日本に台風が接近していますが怪我の無いように気を付けてお過ごしください (2016年8月29日 7時) (
レス) id: ba05ed8226 (このIDを非表示/違反報告)
高校生(プロフ) - フィンクスloveさん» ありがとうございます (2016年7月7日 12時) (レス) id: ba05ed8226 (このIDを非表示/違反報告)
フィンクスlove - とても面白くて大好きです！！更新頑張ってください！！(*´ `*) (2016年6月29日 18時) (レス) id: 8375edd26c (このIDを非表示/違反報告)
高校生(プロフ) - シロさん» ありがとうございます (2016年6月22日 23時) (レス) id: ba05ed8226 (このIDを非表示/違反報告)
シロ - 更新頑張って下さい！楽しみに待ってます！ (2016年6月14日 20時) (レス) id: 6ce3e8c171 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：高校生 | 作成日時：2015年11月22日 22時
