第十五話 治療 ページ16
..
ぽたり、ぽたり....天井の隙間から降ってくる水の音が酷く耳に響く。
決して清潔とは言えないこの空間で負傷した少年の荒い呼吸と血液の匂いがほのかに香る。
数分前に少女から水の入った片手鍋を受け取り、持参していた焜炉でお湯を沸かし水を殺菌した。
一通り使う器具をお湯で殺菌し、少年の腹部の衣服を捲り改めて傷口を診察する。
「痛いけど、少し我慢してね」
「っ！！ぅ、あっ……くっ」
“おいっ！何やって”
“ひっ、…だいじょうぶ、だよね”
傷は少し深く、泥で汚れていたりしたので人肌まで冷ましたお湯で泥を落とした際に少年は呻き声を上げたが暴れることはせず泥を落とし終えると注射器で麻酔を打った。
子供なので多い量は打つことができないため早めに終わらせなければいけない。
多少動いても裂けることの無いように手早く丁寧に縫合していく。幸いにも内臓にまで傷は達していなかった。
足の傷も同じように泥を落としてから麻酔をし、縫合していった。
深い傷の縫合を終えると少年の顔色もだいぶ良くなり呼吸も落ち着いてきた。浅い傷も適応した処置を行い同時に、数種類の薬を少年に打ち込んだ。
(運が良いんだか、悪いんだか)
腹部の傷も完全に塞がれば支障なく動けるであろうし足の傷は運良く神経も腱も傷ついていなかったため傷さえ塞がれば走れるようになる。
ぬるま湯に浸けた清潔な布で縫合付近の汚れや血を落とし、ガーゼや包帯を巻きながら体力が付き眠ってしまった少年の顔色を窺う。
まだ、顔色が完全に優れないのは血液が足りていないからだろう。
少年の手当てを終え、治療中大人しく待ってくれていた子供たちの方へ視線を向ける。
初めは肩に力が入り緊張、不安、そんな色が窺えたが安静にしていれば大丈夫だ。ということを伝えると肩の力を抜き安堵の色を見せた。
「さ、貴方たちもおいで。怪我してるでしょう？」
ほら。と言って一番近くにいた少年に触れる。
少年は警戒しており無言だったが、治療中に暴れるようなことは無かった。一人の治療が終わるとまた一人、もう一人、と子供達の手当てをした。
会話は対して無かったが、治療が終わった後にそれぞれ頭を撫でると皆目を瞠りしばらく固まってしまうのだ。そんな様子に首をかしげながらも子供たちの頭を撫でる。
皆、頭を撫でていると僅かに雰囲気が穏やかになるのだ。
(……可愛い。)
にしても、皆どこかで見たことがある様な気がするんだよなぁ。気のせいかな
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高校生(プロフ) - 皆様、現在日本に台風が接近していますが怪我の無いように気を付けてお過ごしください (2016年8月29日 7時) (
レス) id: ba05ed8226 (このIDを非表示/違反報告)
高校生(プロフ) - フィンクスloveさん» ありがとうございます (2016年7月7日 12時) (レス) id: ba05ed8226 (このIDを非表示/違反報告)
フィンクスlove - とても面白くて大好きです！！更新頑張ってください！！(*´ `*) (2016年6月29日 18時) (レス) id: 8375edd26c (このIDを非表示/違反報告)
高校生(プロフ) - シロさん» ありがとうございます (2016年6月22日 23時) (レス) id: ba05ed8226 (このIDを非表示/違反報告)
シロ - 更新頑張って下さい！楽しみに待ってます！ (2016年6月14日 20時) (レス) id: 6ce3e8c171 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：高校生 | 作成日時：2015年11月22日 22時
