第十話 暇潰し ページ11
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しゃりっ、水菓子を齧りながら裏通りを歩く人影。
路地の隅にはゴミや、骨が落ちており硝子や使用済みのライターなどがあった。
出来る限り気配を消して裏路地を進めば予想通り、街があった。街、というより元街で合った場所だろう。
今は表に店を出せない物ばかりの集まる場所だ。
「人攫いたちはここで人間を売っているらしいな」
少量の人だかりができている場所へと足を進めると、鎖に繋がれている人間が数人おり、一人づつ売り手の男に紹介され買い手に初値段を言っていた。
趣味の悪いものだ。
踵を返し他の物を見に足を進める。途中、数人から僅かな視線を感じ口角を上げた。
二人、いや三人後をついてくる物がいた。それも気配を消して。概ね金か食料を狙った物だろうと彷彿しながらもどう遊んでやろうかと口角を緩める。
しゃりっ、と最後の一口を食べたところで相手側から殺気と共に建物の間隙からナイフがこちらへ飛んでくる。それを数歩歩くことで躱しながらも後ろから迫る二回目のナイフも躱す。
すると、真上から殺気の根源と共に鈍色に輝く刃物を持った影が降ってくる。
なるほど。良い作戦だ。
此方が気づいていないとでも思っているのかどうかは知らないが、的確に首筋に狙いを定めて刃を振るった。
首筋に刃が届く前に身を前方へと屈め、横に身体を捻り相手の首筋を掴み地面へと抑え込んだ。
予想より細い首筋、軽い身体。
「くそっ……はな、せっ！」
耳に届く声。拘束から逃れようと首筋にあるこちらの手を剥がそうと必死に掴むが、生憎力が足りなかった。
窮地に陥っているにもかかわらず毅然とした目をしたまだ幼い少年。
「子供、……他にもまだいるんだろう」
出ておいで。そういうと毅然とした目をしていた少年の気が僅かに乱れ、狼狽した表情になった。
が、
殺気が正面と背後から迫り、少年の首筋に置いた手を放し地面を蹴って大きくジャンプし迫り来る弾丸を避けた。
少年の仲間の攻撃を避けるその隙に少年と少数の気配は一斉に逃げ出した。
気配を探ると数秒でかなり離れた距離に逃げていた。路地裏の道詳しいんだ。結構早いね。
「明日、また来ようかな」
面白い物を見つけた。と愉悦する。自身の身体能力が格段に上がっていることにも気付けたし、今日はかなりの収穫があった。
空が橙色に染まってきたので少し急ぎ足で街を出た後は体力試しに塒まで走った。
(おぉ、早いし、疲れない。全然気づかなかったなぁ)
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高校生(プロフ) - 皆様、現在日本に台風が接近していますが怪我の無いように気を付けてお過ごしください (2016年8月29日 7時) (
レス) id: ba05ed8226 (このIDを非表示/違反報告)
高校生(プロフ) - フィンクスloveさん» ありがとうございます (2016年7月7日 12時) (レス) id: ba05ed8226 (このIDを非表示/違反報告)
フィンクスlove - とても面白くて大好きです！！更新頑張ってください！！(*´ `*) (2016年6月29日 18時) (レス) id: 8375edd26c (このIDを非表示/違反報告)
高校生(プロフ) - シロさん» ありがとうございます (2016年6月22日 23時) (レス) id: ba05ed8226 (このIDを非表示/違反報告)
シロ - 更新頑張って下さい！楽しみに待ってます！ (2016年6月14日 20時) (レス) id: 6ce3e8c171 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：高校生 | 作成日時：2015年11月22日 22時
