暖かい手 ページ1
「Aー。ご飯食べないの?」
「…いらない」
部屋の外から、
母の大きな声が聞こえる。
今は、耳触りにしか思えなかった。
.
とりあえず今日は寝ようと思い、
ベッドに入る。
ーその瞬間に、
脳内に蘇る情事の光景。
背中を悪寒が伝った。
自然と零れてくる涙。
拭っても拭っても流れて来る。
…瞼が重い。
.
.
.
「A、早く起きなさい」
優しい声が、微かに聞こえる。
ゆっくり目を開けると、心配そうなお母さんの顔。
「…おはよ」
「おはよう。早く準備してご飯食べて」
「…まだ時間あるのに」
「遙くんが待ってるのよ」
…え?
遙…って、
「…何で?」
「さぁ…でも早く行ってあげなさい」
「う、うん…」
ベッドから急いで起き上がる。
お母さんが部屋から出て行った。
「……!」
急に立ち上がったせいだろうか。
体が…痛い。
.
私は急いで支度をし、
いつもの半分くらいの時間で準備を終えた。
玄関を出ると、そこには遙の姿。
…珍しく、口元には笑みを浮かべていた。
だけど、どこか儚げで切ない微笑みに見える。
「は、遙…」
「…A、泣いた?」
「え…何で?」
「目、腫れてる」
大きな手が、頬を覆う。
…暖かい。不意に涙が出そうになった。
.
「…俺が、守るから…
Aが辛い時は、俺が側に居る。
だから…1人で泣くな」
.
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結衣はfreeしか泳がない! - 続き見たいです… (2016年3月2日 18時) (レス) id: 4798cb5b24 (このIDを非表示/違反報告)
結衣はfreeしか泳がない! - はい今日もです笑 荒しじゃないんですけど迷惑だったら言ってください。 ほんとに更新お願いします見たいです!!! (2016年2月29日 20時) (レス) id: 4798cb5b24 (このIDを非表示/違反報告)
結衣はfreeしか泳がない! - 今日もです、、、笑 しつこくてすみません…でも本当に続きが楽しみなんです!! (2016年2月28日 19時) (レス) id: 4798cb5b24 (このIDを非表示/違反報告)
結衣はfreeしか泳がない! - 今日も更新ないかなーって見に来ました。明日からも見れたら見にきます笑 せっかくすごく面白いのに止まっちゃってるのが残念です。この小説の、ちょっと強引でヤンデレな凛ちゃん好きです!! 更新待ってます!!! (2016年2月27日 23時) (レス) id: 4798cb5b24 (このIDを非表示/違反報告)
結衣はfreeしか泳がない! - 凛ちゃんかっこいいです!!続き気になります!ぜひ更新お願いします…! (2016年2月27日 9時) (レス) id: 4798cb5b24 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:涼 | 作成日時:2013年9月15日 13時