9日目 ページ10
次に連れてこられたのはゲームセンター。
兄さんに連れていかれる近所のゲーセンよりずーーーっと大きい。
それに、まだ中に入っていないのにすごく騒がしい。騒がしくないゲーセンとか楽しく無さそうだけど。
『サラ先輩、これこんどこそ入ったら二度と出れない迷路じゃ…』
サラ「違うから安心しろ。」
ジョー「そんなに不安ならこうしようぜ!」
そう言って兄さんは肩を組んできて、わしゃわしゃと頭を撫でてきた。
うぅ…髪が乱れる…でも…悪くはないな…むむむ…
ジョー「うおっ!Aの髪ふわっふわ!」
『そうであろう、そうであろう。』
ジョー「あっ、でもあんまり触ると髪乱れるちゃうよな…女の子は髪が乱れんの嫌なんだろ?ゴメンなA…」
『あやまるほどのことじゃないから良しとする!』
サラ「兄妹仲良くしているところ悪いな、そろそろ行くぞ。」
ジョー「あ、悪い悪い!」
入ってすぐに見えたのはいつものゲーセンにもある音ゲーだ。円状のタッチパネルを使って操作するやつだ。私が兄さんに勝てる唯一のゲーム。
ジョー「あっ!これ!なあサラ!お前これ得意だっただろ!?Aも得意なんだ!どっちが上手いんだ?」
サラ「ふむ、良いことを聞いた。A、どっちがどれだけスコアをとれるか勝負しようか。」
『ヒェッ…お、お手柔らかにお願いします…』
ジョー「きまりだな!」
ちょうど2台空いていたので、横にならんで選曲をする。
曲は選んでいい、とのことだった。よっぽど自信があるのか、それとも……いや、さすがにないな。
そんなことより、私が選んだのはシアンの髪の電子の歌姫が歌っている曲だ。暇があれば聴いている曲なので大得意なのだ。難易度はもちろんハード。その名の通り難しいやつだ。
音楽にあわせて飛んでくる線をタッチしていく。時には長押しをしたり、同時にタッチしたり。とにかく休むことなく流れてくる線をさばいていく。
楽しい。
『…………』
サラ「……………」
ジョー「二人ともガチだ…Aのあんなに真剣な表情初めて見たぞ…?」
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作者名:握り飯 | 作成日時:2018年2月20日 10時