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story428 時計じかけの摩天楼37 ページ46

Aside

『警察が隠し通せるのも30分が限界でしょう...』

「あぁ。下手をしたら気づかれる可能性も高いしな」

ニュースを見ていた私は物静かにそう言うと松田さんも頷きながらそう言っている
この非常事態を隠し通せるのはせいぜい30分だと考えた方が妥当ね...
それに松田さんの言う通り、下手をしたら一般人にも気づかれる可能性が高いわ

「爆弾が仕掛けられているなんて報道されたら大変な事になるしな」

「そうね。そんな事が報道されたら、パニックになる可能性も高いわ」

私と松田さんが口々にそう言うと新一君と哀も同じ様に口々にそう言っているのが聞こえた
確かに...爆弾が仕掛けられているなんて報道されたら、7年前や3年前の時と同じ様になる可能性が高いし、パニックになる可能性も考えられるわね
その時、萩原さんと松田さんが新一君と哀の方を見て疑わしそうな眼差しで見ていた事に気づかなかった...

その後、博士が両手でテレビを持って来ている姿が視線に入った
どうやら博士は看護婦さんから借りて来たみたい
新一君の病室にテレビは置いてないから博士がわざわざ借りてきたのね

「ハァ...看護婦さんから借りて来た。病室で見た方がいいじゃろう」

「そうね。このテレビを江戸川君の病室に置いて見た方が早いわ」

「博士、ありがとうございま〜す!」

博士がそう言うと哀がテレビを病室に置いて見た方が早いと言っており、萩原さんは嬉しそうにお礼を言っていた
まあ、テレビがないと爆弾事件のニュースを見られないし
その後、私達は新一君の病室に向かうべく静かに歩く
ちなみにテレビは博士が持ってくれるとの事で凄くありがたいわ

しばらく歩いていると窓から東都環状線の電車が時速70キロで走行しているのが見え、私はいったん足を止めて一人で静かに犯人が電話で話していた内容を考え始めた
【××の×】...×の所には漢字が一字ずつ入るって犯人が言ってたわね...
小五郎さんや松田さんは【座席の下】【網棚の上】【車体の下】と言っていたけど私にはちょっと違う様な気がするわ...
間違いではないけど頭の中で引っ掛かってスッキリしないと言うか違和感が残ると言うか...
それに犯人が言っていた時速60キロ以下で走行した場合、爆発すると言うのは仕掛けとしては理解できるわ...
だけど...日没までに爆弾を取り除かなかった場合も爆発すると言うのは一体どう言う事かしら...?
どうして日が暮れたら爆発するのかしら...?
電車のライトにでも関係あるのかしら...?

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作者名:黒羽明菜 | 作成日時:2020年5月4日 22時

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