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story258 名家連続変死事件13 ページ15

Aside

秀臣さんは昔と変わらず優しいし、日向さんを幸せにしてくれる事は間違いないわ

「まぁ!」

「本当でございますか?旦那様」

「あぁ。それで幸さんに早くこの家に慣れて貰おうとここに泊まって貰ったのじゃ」

長門会長の報告に康江さんは嬉しそうな表情で日向さんの事を心から祝っていた
康江さんは昔から誰にでも優しいからね...
日向さんの方をチラッと見ると祝われた事に少し恥ずかしいのか頬をピンク色に染めているのが分かった
フフッ...こっちまで幸せな気分になるわ(微笑
武さんの問いかけに長門会長は頷きながらも日向さんが長門家に慣れて貰う為に泊まって貰ったと答えている

「なーんだ、そうだったの」

『それで最近、日向さんは長門家に泊まってたんですね』

康江さんは日向さんが寝泊まりしていた理由を聞いて納得した表情を浮かべていて、私もその理由が何なのかすぐに理解した後、康江さんの方を見ながらお互いに微笑み合っていた時、信子さんが日向さん達を祝わず、悔しそうな表情で立ち去る姿が見えた
......信子さんは康江さんだけじゃなく秀臣さんも結婚が決まったと聞いて、自分だけ置き去りにされた様な気分になってしまったのね

「おや?信子お嬢様、どちらへ?」

「ほっといてあげなさいよ。これで一人もんは彼女だけになってしまったのだから」

信子さんが立ち去る姿を見た武さんが心配そうに声をかけるも光明さんから放っておいた方がいい事と信子さんのみ長門家唯一の独り身だと揶揄すると信子さんは図星を当てられて悔しかったのか無言のまま出ていってしまった
大丈夫かしら...信子さん...
いくら身内だろうとあんな風に言われたら、誰だって傷ついてしまうだろうし...
それに光明さんは口の軽い部分があるから、これが災いしなければいいんだけど...心配だわ
あら?そう言えば、さっきから秀臣さんの姿が見えないわね...

「ところで秀臣の姿が見えんが...」

「きっとあいつ、照れてるんですよ。今、呼んできます」

長門会長が秀臣さんの姿が見えないと言うと、光明さんは秀臣さんは人前に見せないのは照れているからと言って秀臣さんを呼びに部屋から出ていった
その後、私達はパーティーに出された食事を食べながら康江さんと楽しく談笑していた時、新一君が私の腕をクイッと掴んできた
......どうやら人前では言えない話って訳ね
理解した私は康江さんと談笑を終えた後、新一君の元へ行き、離れた場所で彼の目線に合わせる様にしゃがみ込んだ

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作者名:黒羽明菜 | 作成日時:2018年7月3日 12時

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