33 取材 ページ37
33 取材
Z市ヒーロー協会支部
そこにトネルとサイタマは来ていた。
ジェノスはパーツの取り替えでクセーノ博士の元へ行っている。
買い物ついでに呼ばれたのでこうして足を運んだのだ。
「それじゃあ早速…。フラースさんに取材のお願いが来てるんだ」
『取材？』
「あぁ。この前の雑誌の特集あったでしょ？あれ見た編集長直々に取材のオファーがあって」
『僕はただでさえ出しうる全ての情報を遮断してヒーロー活動をしてるんだよ？それなのにわざわざ取材って……』
つんつんと自分の被っているフードをつつく。この協会職員でさえ彼女の正体を知らないのだ。
「そこを何とか……」
『嫌で……』
「いいじゃねーかそれくらい」
『やります』
サイタマの一声で考えを一転したトネル。
職員もこの変わりように目をぱちくりとさせている。
「そ、それは良かったです…！それではこれ、場所と日時です」
そう言われ彼女のスマホに一件の通知音が鳴った。
＊＊＊＊
『ヒーローを始めたきっかけ…金銭面的に。一年目はヒーローしてないと生きて行けない程だったからねぇ』
『憧れるヒーロー？サイタマさんです！B級の！！』
『好きなヒーロー…憧れてるとはまた別…困るなぁ…沢山いて、兄さ…ゾンビマンとかタツマキ姉、ジェノスや童帝君にシルバーファングさん……えっ、これ以上はいい？わかったぁ』
『なんで好きなのか。えっと誰の事…あ、例えば童帝君…。彼は僕の理解者で大切な人だから』
『なんでB級のヒーローに憧れているのか？
それはサイタマ先生が最強に最高だからです！』
『僕の性別？ナイショ！』
『え？今度は僕の年齢？それもナイショ！』
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作者名：とちょー | 作成日時：2024年3月30日 10時
