最終話 あなたに出会えて ページ48
１ヶ月後。
【卒業生の入場です】
その声を皮切りに壮大な音楽と共に胸に花を着けた私達が入場する
家族席を見るが増田さんの姿は無い
(あぁ抜けられなかったんだな)
心の中でつぶやき、前を向き直して先生の指示を待つ
座れとの合図が出たので一斉に座る
壇上で一人一人名前を呼ばれ返事をする
そんな長い式も終わり、教室に戻る
先生の最後の言葉でみんなが泣き出す
終わった後大号泣の香月ちゃんが駆け寄ってきて
｢本当に今までありがとう！これからもずっと仲良くしようね！｣
と抱き締められた
その言葉に私も涙を流す
『こちらこそこれからもよろしくね』
そう伝えると香月ちゃんはぐしゃぐしゃになった顔で
｢うん！！｣
と言った
そして2人で学校を出る
写真を撮るのに人がごった返していた
その中で兄を見つけ、話しかける
『兄ちゃん、増田さん来れなかったの？』
【うん、仕事抜けれなかったみたい】
『そっか、香月ちゃんと写真撮ってくるね』
【わかった】
そう言って香月ちゃんの所へ向かった
時間が経ち、段々人が減って行った
(やっぱり来れないか、)
香月ちゃんに『もう帰ろ？』
そう声をかけると
｢A！あれ！｣
と香月ちゃんが指を差す方を見ると、そこにはずっと待ち続けていた人がいた
『増田さん！？』
そう言って駆け寄ると増田さんは腕を広げて待っていた
走った勢いのまま飛びついてお互いに固く抱き締める
そして増田さんはいつの間にか近くにいた兄に
｢Aちゃん、ちょっと借りますね｣
と言い、私の手を取ってどこかへ歩き出す
『え、ちょ増田さん！どこ行くんですか？てか仕事は？？』
｢仕事はめっちゃ早く終わらせてきた。どこ行くかは秘密ね｣
そう言って舞い散る桜の中困惑している私に構わず歩き続ける
やっと止まったかと思ったらそこは海だった
少し肌寒いけど綺麗だ
『海？？』
｢そ、おいで｣
と手を握り直し、優しく誘導する
？？？となっていると
｢卒業したから改めて言うね｣
｢Aの事が大好きです。俺と付き合ってください｣
『はい！』
そう答えると
俊樹さんが私を抱き上げ幸せそうににっこりと笑う
それにつられて私も笑う
すると、私を抱きしめる力が強くなりさっきよりも顔が近付く
そのまま唇が重なる
コンビニの前で死の淵をさまよっていた少女は1人の男性声優と恋に落ち、幸せになるのであった
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幽霊狐(プロフ) - 作者より を追加しました。ぜひお時間がある時にでも読んでいただけると嬉しい限りです！ (11月19日 19時) (
レス) id: 06f0b1b7dd (このIDを非表示/違反報告)
幽霊狐(プロフ) - 第8話と第10話を誤字や掲載ミスのため修正しました(2023/11/12) (11月12日 16時) (レス) id: 06f0b1b7dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：幽霊狐 | 作成日時：2023年11月5日 20時
