【完】幼なじみとの攻防戦【梅原裕一郎】 (ページ6)

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5.桃沢と言う女ページ6

梅原side

俺とAが出会ったのは今から約27年前。幼稚園の頃だった

その時のAは正義感が強くてあまり関わりたいとは思わなかった

でもある日、幼稚園で公園に行った時小学生にいじめられているとAは自分より一回りも大きい相手に立ち向かって追い払ってくれた

『だいじょーぶ？』

と手を伸ばすA

その姿で俺は恋に落ちた

それからはAを見つける度にちょっかいをかけたりからかったりしていた

小学4年生になった時、Aが女子にいじめられていることに気がついた

Aに理由を聞くと『私、そんなに女の子っぽい物好きじゃないじゃん。それで梅と仲良いのが許せないらしいよ』と言っていた

なんだよそれ、と思った、と同時に俺が助けなきゃって思った

だから俺は動く。好きな女のために

次の日にいじめていた主犯の女子を呼び出した

主犯【えっと、梅原くん。話って何かな…？】

なんでこいつは顔を赤らめているのだろうか

｢お前、Aの事いじめてんだって？｣

主犯【えー？いじめてはないよ？ただあーんなに可愛くないのに梅原くんみたいなかっこいい男の子に構って貰えて良かったねって言っただけだよ？】

｢何勘違いしてんだよ。構って貰えて？ふざけんな。Aをいじめていいのは俺だけなんだよ｣

主犯【え、、それって、、】

｢分かったんなら散れ｣

そう言って俺は帰る

すると昇降口でAが待ってた

｢帰ってなかったの？｣

『うん。だって梅と帰るんでしょ？』

｢そうだね。ごめん遅くなって｣

『ううん、良いよ。梅と帰るの楽しいから』

やっと俺に興味を持ち始めたか

また少しだけからかおう

｢ねえ知ってる？手繋いで帰るとその友達は一生仲良くいられるんだって｣

『そうなの？』

｢うん。だから手、繋いで帰ろ？｣

『いいよ！』

手を差し出すと俺よりも小さくて白い手が乗せられた

それをギュッと握ると弱い力で握り返してくる

その感覚に罪悪感と幸福感を覚えた

｢これからは一生俺が守るからね｣