【完】幼なじみとの攻防戦【梅原裕一郎】 (ページ38)

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37.ただあなたにページ38

泣き出した私をあやすように頭を撫でる。

幸いこの病気は上手く治療が進めば1週間程度で治るらしい。

急に梅が離れて私のスマホを差し出してきた。

そういえば、朝以来スマホを開いてなかったな。

受け取って電源を付けると大量の通知が来ていた。

とりあえず最初に社長から見よう。

トークを開くとスクショと共に【これでいい？】と来ていた。

スクショを見ると活動休止についてのお知らせ内容だった。

私は【すみません。ありがとうございます】とだけ送る。

あとは真礼ちゃんに宏太朗、江口さんなどから来ていた。

返信、しなきゃな。

一人一人トークを開くとみんな最後に【返事はいつでもいいよ】などと添えてあった。

優しさに触れて涙が溢れてきた。

それを見た梅はギョッとしながらもゆっくりと【よかったね】と唇を動かした。

うん！と大きく頷いた。

全部見るだけ見て返信は後でまとめてすることにしてついでにTwitterで活動休止のツイートを見る。

やはり変わらず誹謗中傷は絶えなかった。

やっぱりか、とスクロールしていると突然スマホを奪われた。

【こんなの見てなくて良いから俺の顔見てろ】

思わず吹き出してしまう。

こいつはどんだけ自分の顔を使うんだ。

ありがとう、と言うが耳が機能していないのを忘れていた。

でもおそらく伝わったようだ。

頭をわしゃわしゃと撫でられる。

心地良い。

全部がどうでも良くなる。

ネットに書き込まれる悪口だって、機能していない耳だって、何もかもがどうでもいい。

ただずっとあなたのそばに居たいとだけ思う。