【完】幼なじみとの攻防戦【梅原裕一郎】 (ページ12)

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11.慣れページ12

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私は特に｢慣れる｣のが早い

仕事も就いてすぐ慣れたし、新しいアニメのアフレコでもすぐに慣れる

だから梅の繰り返される｢好きだよ｣という言葉に慣れてしまった

『梅〜お菓子作ってみたから食べて！』

｢え、お菓子作れんの。しかも美味いし｣

『ほんと？良かった〜』

｢素直に喜ぶの可愛いね、好きだよ｣

『わーい。あ、こうたろも食べるー？』

西｢食べていーの？ありがとー！うん！美味しい！｣

けどある日から梅はその言葉を一切使わなくなった

『梅、なんか疲れてる？大丈夫？』

｢ん、大丈夫。ありがと｣

『ならいいんだけど…』

いつもなら言いそうな場面でもグッと堪えている

何かあったのかなと思ったがそのうち慣れるだろうと気にもとめなかった

でもやっぱり少し寂しい、かもしれない

『うめ、、最近どしたの。私の事嫌いになった？』

そう言うと梅はほくそ笑んだ

｢白井さんに言われた通りだった…｣

『え、何が、』

｢押してダメなら引いてみろってこと｣

どうやら全てはこの男の手の平だったらしい

｢ほんと可愛いよ、Aは｣

『私は今ので嫌いになった』

｢本当は好きだろ？｣

『はい、嫌い。』

梅はクククと可笑しそうに喉を鳴らして愉快に帰って行った