6【FOOLigan.】 ページ6
それからというもの、私の家は地獄であった。
まずどれだけ家に入る事を禁じても聞いてくれない。それが悪魔やから、と悪戯っぽく舌を出される。おい全然可愛く無いからなそれ。────くそ、可愛い。
その上、どれだけ施錠をしても窓ガラスを厚くしてもにゅるりと障害物を通り抜けて「元気しとるー？」と現れるのだ。私が迷惑そうに顔を顰めるととても嬉しそうにぴこぴこハート型の尻尾を振る。なに、なんなんだお前ら。私を困らせて楽しいのか。そう聞いたら恐らく満面の笑みで親指を立てて肯定されるのだろう。
ついでに今日帰ってきたら鬱(大先生の本名らしい)とシャオちゃん(無駄に可愛い)が二人で酒を飲んでいた。あろうことか日本酒である。西洋の高貴な悪魔のイメージが著しく崩壊した。まあ、元からこいつ等に高貴な印象など毛ほども抱いていなかったのだが。
「どうやって入ったんですか」
「え〜？合鍵」
結構真面目に殴ってやろうかと思った。堪えた。私超偉い。
「Aちゃんは僕の事好きやろ？」
「嫌いです」
「照れんな照れんな♡」
「離れてください」
「大先生、これ多分マジで殺意MAXの奴やから離れた方がええで」
冷ややかな目の私を見て情けなく「ひゃい……」と声を漏らした鬱は背筋をぴんと伸ばして肩を落とした。反省している振りは上手いようだが左手が熱燗へ伸びている時点で好感度はマイナスだ。って待てやおいなに人の家で勝手に、と食って掛かろうとしたその時、鬱がもう一度声を掛けてきた。
「Aちゃんが僕の事嫌いなんはよう分かったけどぉ」
それ、本気で言うとんの？
ぞわりと広がる悪寒。
双眸が、花紺青にぼんやり光っていた。
先程とは比べ物にならない得体の知れない威圧感と、急に流れ出した甘い香り。
くらり、と私が軽い目眩を覚え始めたところで、シャオちゃんが「やめろ、大先生」と短く彼を制止した。彼の声に応えたかのように鋭い眼光はふっと消え、鬱の雰囲気はいつの間にか普通の藍色に戻っていた。
「お前の
「えぇ、チャームは夢魔の醍醐味やろ？かわええ顔してたで、Aちゃん」
「何かよく分かりませんけど死んでくれますか」
「温度差で泣きそう」
いやでも、しゃーないやんと鬱。
「女の子やのにかわいくない事言うんやもん、つい従わせたくなってもうてさ」
シャオちゃんが呆れたように溜息をついた。
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まも。 - 語彙力が半端ない…好きすぎる。 (3月16日 18時) (
レス) @page20 id: f3d61cfa83 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - やばい…osmnが色気爆発し過ぎてて死ぬ…更新楽しみにしてます！ (2023年2月15日 21時) (レス) @page32 id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
雪乃 - 更新再会っ！頑張ってください！ (2022年8月20日 14時) (レス) @page32 id: c39d7e026e (このIDを非表示/違反報告)
じばくとっこうたい - お久しぶりです！この作品本当に大好きです。osさんっっと悶えてました。新作もすごく面白かったです！これからも応援しています！ (2022年2月23日 18時) (レス) @page32 id: 8209a7a990 (このIDを非表示/違反報告)
ネロ - 過去最高1位おめでとうございます！！前からでしたらすいません。気づいたので書き込ませていただきました。 (2021年9月12日 19時) (レス) id: 60a73795c6 (このIDを非表示/違反報告)
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