20【唇の触れてない場所は】 ページ20
「魅了魔法？」
「先輩がどっかのインキュバスに掛けられたんでしょ」
「えっ今ショッピくんインキュバスって」
「あー、はいはい、そうですね」
鬱陶しそうに頭をがりがり掻いた後輩が、私の身体を壁に押し付ける。うぐ、と発した声は彼の耳には届かなかったのか、ショッピ君は無言で私の首筋付近に顔を埋めた。突然の彼の行動に、ふわりと漂って鼻孔を擽るネロリの存在も相まってどうすることもできずに目を白黒させる。
「あの、ショッピさん」
「先輩」
「ハイ」
「噛んでいいっすか」
分かりました、噛みますね。
「へっ！？」
笑えない音がした。噛み千切るような、下の歯で突き刺すような、尋常ではない刺激がばちっと走る。驚きと痛みで声も出ない。ただ分かるのは、私が何も言っていないにもかかわらずこの後輩が私の首筋に歯を立てたという事だけだ。これ血出た絶対血出た、とは思ったが出血時特有のくらりとするあの感覚がないので恐らく加減は知っていたのだろう。何一つ安心はできないけれど。
強く噛んだ後、そこからまるで傷を癒すようにちろちろ首筋を舐められる。色濃く残る刺激の残滓に、唾液塗れの舌が這ってはもう堪ったものではない。変な声を出したがやっとの思いでショッピ君を身体から引き剥がす。引き剥がされた彼は不満そうな顔で此方を睨んでいる。なにその私が悪いみたいな雰囲気！
「な、なに、いきなりどうしたの」
「じゃあ誰に掛けられたんすかあのチャーム。いや誰のチャームかは分かってるんですけど先輩があの人と関わりがあるってのがまず気に食わない。先輩があの人の事を知らんって言うんやったらそれはAさんが寝てる間にあいつが勝手に食ったって事になるから、あ゛ーーーーーーっもうほんまにむり」
「ちょっと待って何の話」
恨めしげな顔になったショッピ君が蚊の鳴くような声で、
「先輩と大先生が肉体の関係を持ってるって話です」
と呟くように口を尖らせて言った。
───────────。
しんさくです
【d!】ゴシップ・レーシー、愛は専門外。
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まも。 - 語彙力が半端ない…好きすぎる。 (3月16日 18時) (
レス) @page20 id: f3d61cfa83 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - やばい…osmnが色気爆発し過ぎてて死ぬ…更新楽しみにしてます！ (2023年2月15日 21時) (レス) @page32 id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
雪乃 - 更新再会っ！頑張ってください！ (2022年8月20日 14時) (レス) @page32 id: c39d7e026e (このIDを非表示/違反報告)
じばくとっこうたい - お久しぶりです！この作品本当に大好きです。osさんっっと悶えてました。新作もすごく面白かったです！これからも応援しています！ (2022年2月23日 18時) (レス) @page32 id: 8209a7a990 (このIDを非表示/違反報告)
ネロ - 過去最高1位おめでとうございます！！前からでしたらすいません。気づいたので書き込ませていただきました。 (2021年9月12日 19時) (レス) id: 60a73795c6 (このIDを非表示/違反報告)
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