12【St/By】 ページ12
緑のパーカーとロボロという夢魔の所為で、昨日は散々な目に遭った。華金に定時という理想的なシチュエーションに舞い降りた小悪魔共は、浮き足立っていた私の気分と身体的疲労をどん底まで叩き落とした。
昨日はそのまま泥のようにソファで眠ってしまった。あの後少し引け目を感じたのか黄緑の彼がブランケットを掛けてくれていたらしいが首が滅茶苦茶痛い事に変わりはない、
──────ん？あれ、そうでもない。
違和感に目をこじ開けられて天井を見つめるも、それは最近誰かさん達に事あるごとに押し倒される所為でよく見る羽目になっているリビングの天井ではなかった。何の変哲もない、私の自室のグレーの天井。ふかふかとした背中に伝わる柔い感触も私の自室のベッドのものだ。いやでも私はリビングで寝た筈で、んん？うーん、いや待て、記憶が曖昧だ。
寝起き直後にくるくる回らされた脳の悲鳴が掠れた声となって唇の端から漏れた。成人女性とはこんなものだ。乱れた髪を押さえつけてベッドから降りて大きく伸びをする。その勢いで深呼吸した所で、何処からか漂ってきた良い香り────何か美味しい物が焼けるような匂いが私の鼻腔を擽った。すんすん、と嗅いでみるとどうやらそれはリビングの方から来ているらしい。匂いに惹かれるように長い廊下へ出た。
リビングに着いて、言葉を失った。
見慣れない美しく整った顔をした男性が、テーブルに添えられた小さな椅子に腰掛けて文庫本の頁を捲っていたのである。伏し目がちに活字を追っているその男性の姿は、昨日の夢魔から散々な目に遭っている私からすれば不法侵入だろうとなんだろうと十分天の使いに見えた。
そして何より私の目を引いたのは、食卓に並ぶ色とりどりの料理達であった。私の部屋まで漂ってきていた匂いはこの美味しそうな焦げ目が付いているベーコンのものだったのだろう。その他、半熟の目玉焼きやバターと苺のジャムがちょこんと添えられている輪切りのバゲット、トマトやクルトンがごろごろ入ったグリーンサラダ等の西洋をモチーフにした漫画で見るような朝食がずらりと並んでいた。まあ、じゅるり、というお手本のような涎の垂れる音は流石にしなかったが。
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まも。 - 語彙力が半端ない…好きすぎる。 (3月16日 18時) (
レス) @page20 id: f3d61cfa83 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - やばい…osmnが色気爆発し過ぎてて死ぬ…更新楽しみにしてます！ (2023年2月15日 21時) (レス) @page32 id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
雪乃 - 更新再会っ！頑張ってください！ (2022年8月20日 14時) (レス) @page32 id: c39d7e026e (このIDを非表示/違反報告)
じばくとっこうたい - お久しぶりです！この作品本当に大好きです。osさんっっと悶えてました。新作もすごく面白かったです！これからも応援しています！ (2022年2月23日 18時) (レス) @page32 id: 8209a7a990 (このIDを非表示/違反報告)
ネロ - 過去最高1位おめでとうございます！！前からでしたらすいません。気づいたので書き込ませていただきました。 (2021年9月12日 19時) (レス) id: 60a73795c6 (このIDを非表示/違反報告)
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