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｢ふふ、今日も楽しかったわ。それに、かっこいいところ見せつけられたと思うし。気分がいいわ｣
｢姉さんが楽しそうでなによりだ。
……あ、Re:valeだ｣
歌い終わり双子が舞台裏に戻ってくると、次に歌う予定のRe:valeの2人がいた。
Re:valeの2人は、双子の元へと歩み寄ってくる。
｢やっほー明香里ちゃん、今日もサイコーだったよ!! モモちゃん、惚れちゃうかと思った!!｣
｢あら、当然でしょ。でも褒められるのは嬉しいわ。ありがと、モモ｣
｢陽晃くんが作った歌のお陰だと思うけどね｣
｢僕以外が作った曲なんか、姉の良さをより引き出すどころか潰しかねませんからね｣
和気藹々と話すモモと明香里の横で、ユキがぼそりと呟いた言葉に、陽晃はさも当たり前のように言いながら微笑む。
ユキは｢そうね。……相変わらず、狂信的だ｣と返した。
｢次、Re:valeですよね。ここで少し見ていきます｣
｢ほんと!? じゃ、ApeiroNよりかっこいいところ見せちゃうぞ〜!!｣
｢えー、私はやく座りたい｣
｢そんなに座りたいなら、君だけ楽屋に戻ってれば?｣
｢……ユキ、私には辛辣よね。ほんと嫌になっちゃう。じゃ、私先に戻ってるわ｣
明香里は機嫌悪そうに眉間に皺を寄せ、そのまま3人に背を向けて楽屋の方向へと歩いていった。
慌てて陽晃が｢すみません｣と謝る。
｢……こっちの方こそごめんね。仲良くしたいけど、ちょっとね｣
｢なになに、同族嫌悪ってやつ?｣
｢そうね、そんな感じ｣
モモがふーんと呟くと、スタッフがRe:valeに｢もうすぐ出番です｣と声をかけてきた。
｢陽晃、そこで見ててね!!｣
｢はい、楽しませていただきます｣
そしてRe:valeがステージに立ち、歌い始める。
ApeiroNの2年後にデビューし、今ではよきライバルとして争うような関係であるRe:valeのステージを、陽晃は無表情で見つめながら、｢……姉さんには到底及ばない物だな｣と呟いた。
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作者名：ニャルラトテップ | 作成日時：2018年10月4日 1時
