18 ページ20
その翌日。
環から｢明日、駅前ライブでデビュー曲披露するから、あかりんとひーくんきてよ｣とチャットを受け、仕事と仕事の合間をぬって双子は駅前とやってきた。
もちろん、服装から髪型から何まで変装をして。
一度、明香里が面倒くさがってマスクとメガネだけで出かけたことがあるが、当然のようにバレて大騒ぎになった。
それ以降、｢誰?｣とあの天が言うほどまでに変装をするようになったのだ。
ライブはまもなくお別れ、というところであった。
｢良いタイミングね。……うーん、バレないか心配だわ｣
｢喋らなきゃバレないよ｣
｢あ、そっかぁ｣
双子が呑気な会話をする中、ステージ上の陸が喋り出す。
｢新曲をお披露目したいと思います! まだ詳しくは言えないけど、俺たちにとってスペシャルなものになりそうな予感の曲です! タイトルは……｣
そして、陸が新曲のタイトルを言おうとした時。
駅前の大型ビジョンからTRIGGERのあの新曲が流れてくる。
｢あら、嫌なタイミング｣
ちょうど新曲発表なのに、と明香里が愚痴る中、周りの人々は｢かわいい〜｣｢いいね｣とTRIGGERの新曲に夢中になる。
そんな中、1人のファンがステージ上の陸に｢IDOLiSH7の新曲はー?｣と問いかけた。
すると、陸は｢えっ……あ……｣と明らかに動揺した態度を見せる。
それは、他のメンバーも同様で。
｢……それじゃあ、みんなー! 新曲いきまーす!｣
暫くメンバーの間で少し会話をした後、陸が観客へ呼びかける。
――そして最初で最後の、幻となるIDOLiSH7デビュー曲が流れ出した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 80人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ニャルラトテップ | 作成日時：2018年10月4日 1時
