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事務所のレッスンスタジオにて、一通り練習を終えた2人は休憩をしている。
明香里は飲み物を飲みながら携帯でチャットをし、陽晃は休憩時間も新曲作りに励んでいた。
そんな中、横たわっていた明香里が勢いよく起き上がり、陽晃にかけよって｢ねえねえ!!｣と肩を揺さぶった。
｢そ、そんなに揺らさないで……。どうしたの、姉さん。すごい嬉しそうだけど｣
｢IDOLiSH7、デビュー決まったって!!｣
｢え……。ほ、本当に……?｣
｢本当よ。四葉環くんから教えてもらったの。『最近どう?』って送ったら、『IDOLiSH7のデビューきまったよ』ってきた｣
暫くは呆然としながら明香里の話を聞いていたが、次第に頭が理解してきたのか陽晃は嬉しそうな微笑みを浮かべ、静かに喜びを口にする。
｢そっかぁ……、よかった……｣
｢応援する人の気持ちって、こんな感じなのね。……私たちも、頑張りましょ。私も、もっとファンに喜んでもらいたいもの｣
応援している者が何かを成し遂げたときの喜びを、明香里は今まで感じてきたことはなかった。
天がデビューして人気になることは想定していたことだし、小さい頃から競い合っていたせいか、応援というよりライバル意識の方が強かったのだ。
それを、今になってようやく感じることが出来たことは、彼女にとって大きなことだ。
より一層ファンへの想いが強まったのだから。
陽晃は、そんな姉の心境の変化を感じ、さらに嬉しそうな表情を浮かべる。
｢姉さんがファンへの想いがさらに強まったようで、僕はより嬉しいよ｣
｢え、ちょっとそれどういう意味よ。私は昔からファン想いなんですけど｣
｢あはは、そうだね。さぁ、練習に戻ろうか｣
陽晃は楽しそうに笑いながら、明香里からの問いかけをはぐらかす。
それを不満に思いながらも、彼女は練習に励んだのだった。
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作者名：ニャルラトテップ | 作成日時：2018年10月4日 1時
