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拾う欠片 / 傭兵 ページ29

ぐぅ、と腹の虫が空腹を主張する。暗号機何台分のチェイスをした体はヘトヘトに疲れていて、今すぐにでもベッドに横になって寝てしまいたいところだが、その前に満たすべきは食欲だろう。

まだ晩ご飯まで時間はあるが、鼻を刺激して唾液を分泌させるいい匂いに釣られて足が勝手に食堂へ向かった。

「あらナワーブ、晩ご飯はまだよ」
「ああ、今日は何?いい匂いだな」
「ありがとう。今日はシチューだよ、沢山作るからじゃんじゃんおかわりしてね」
「お、マジ?やった」
「食べすぎ注意ね。……あぁ、そうだ。今日イライが晩ご飯の時間ギリギリまでゲームをするから、Aの事を頼むって言ってたわ」
「な、何で俺なんだよ…」

あの目隠しが脳裏をよぎり、全て分かっていますと言わんばかりに笑う。お見通しだろうさ、お前には。何のあてつけだ。

料理の邪魔をしてはいけないので、早々に食堂を後にして自室へ戻る事にした。シャワーでも浴びて、肘あての手入れをしていれば晩ご飯までの時間はあっという間だろう。

ギシ、と時折嫌な音を立てる階段を上り、俺の部屋があるフロアの絨毯を踏む。
…慌てて扉を閉める音が聞こえたが、気のせいだろうか。

コツ、とAの部屋の前で足を止める。絨毯に奇妙な陰影がついている、と思ったらそれは陰影ではなく、絨毯と同じ色の花弁だったのだ。

無意識的にそれを拾い上げ、A部屋の扉を一瞥して自分の部屋に入った。

花弁に対して妙に、加護欲を擽られた。そんなのは可笑しいだろうか?

予想通り、シャワーを浴びて手入れをしていれば晩ご飯の時間になっていた。今部屋を出れば丁度すぐに食べられるであろう時間。
テーブルに置いていた廊下で拾った花弁を手に部屋を出る。エマに聞けば何の花か分かるだろうか。

ウィラに伝えられた通り、イライの代わりにAを食堂まで連れて行かなければ。

彼女の名前が彫られた金のプレートを確認して扉を三回ノックする。反応は無かった。

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設定タグ:identityV , 第五人格 , 短編集   
作品ジャンル:恋愛
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める@黒執事(プロフ) - リパ様えちえちだ…。鼻血が止まらん… (2019年11月18日 23時) (レス) id: 62ac38a52f (このIDを非表示/違反報告)
Lonely(プロフ) - りんご?さん» 閲覧、コメントありがとうございます。マリー様良いですよね〜!下僕になりたい欲望をぶつけて書きました(´ω`*)気に入ってくださったようでなによりです! (2019年10月5日 23時) (レス) id: b9652ac74b (このIDを非表示/違反報告)
Lonely(プロフ) - 玲さん» 閲覧、コメント、リクエストありがとうございます。楽しんでいただけているのなら書いている甲斐がありました!悲しさを表現できるかどうか分かりませんが、最善を尽くさせていただきます…!想像と違うものが出来上がっても何卒ご容赦を……!(′・ω・`*) (2019年10月5日 23時) (レス) id: b9652ac74b (このIDを非表示/違反報告)
りんご?(プロフ) - 血の女王好きなので小説で書かれていて何度も読んでしまいました!!笑笑 (2019年10月3日 1時) (レス) id: a099461a17 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいてます!リクエスト?があるのですが「脳に刻む&骨に刻む」の失恋バージョンを読んでみたいです。主人公ちゃんとイライが交際していることを知ったナワーブ君が見てみたい!(←ただの変態でごめんさい! (2019年9月24日 20時) (レス) id: 750579a695 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:遊歩 x他1人 | 作成日時:2019年1月5日 10時

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