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酸欠の脳で次はどっち回りで窓枠を越えようか考える。最善の判断は勿論出来ていない。
「動きが悪くなってきたな、限界か？」
「まさか、人間の可能性を見くびるなよ」
「ふむ……残念だがそろそろ終わりとしようぞ」
窓枠を乗り越え、ハスターの動きを探ろうと少し足を止める。
止めてはいけなかったのだ。
一瞬前まで窓枠越しだった筈の彼の姿は瞬きをしたら目の前にあり、しまった、と思った時にはもう遅い。半透明の触手を纏う彼の手に殴られ、私の体は吹っ飛んだ。
「っぐ、卑怯、だ…」
「何故だ？我は一度も神出鬼没ではないと言った覚えはないぞ？」
「それ、チェイス中にとっくに使えるようになってた、でしょ」
「ああ。しかし近頃Aと一緒の試合が無かったからな、久々にAと遊びたかった。それだけだ」
くそ。さては最初から私と長時間チェイスするのが目的で私を最後まで残したな？
ぐらぐら揺れる頭に星が散る視界。はっはっ、と息を吐きながらなんとか再び走れるようになろうと体を休ませていれば、視界の端にちらりと、私を照らすハスターのとは別の赤い光が見えた。
「やあ、ハスター。…あなたの兄弟とやらもダウンしましたか」
「霧の。其方は上手く捕らえたか」
「ええ、この通り」
リッパーだ。腰に携えた薔薇の杖からひらひら赤の花弁が舞い落ち、彼の腕に抱えられた仲間──ナワーブは酷く不愉快そうに顔を顰めている。
何故、と疑問符を浮かべながらも起き上がるタイミングを窺っていればハスターが「起きて良いぞ」と私に向かって言葉を発した。
「…遠慮なく。どういうつもり？」
「そう警戒するな。最後まで我々を楽しませた二人を逃がそうというだけだ」
「ふぅん、随分酔狂な事をするんだね。とうとう自身も狂気に呑まれたか」
べぇ、と嫌な顔をして舌を出す。先に行ってますよ、と言ってナワーブを連れていったリッパーの背を眺めながら、こちらに歩みを合わせてくれているハスターと共に浜辺へ足を進める。
「久々のAとのゲームは楽しかったぞ」
「それはどうも。私も君とマッチしなくて退屈しててさぁ…他のハンターよりもハスターの方が楽しめる」
「ふむ、中々嬉しい事を言ってくれる」
顔がない彼の表情は分からないが、声が弾んでいるので嬉しいという感情があるのは確かなのだろう。
「今度カスタムでもしようか」
「…嗚、お主が良いのなら」
彼のスキルで生えた触手が、機嫌良さげにゆらゆら揺れていた。
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める@黒執事(プロフ) - リパ様えちえちだ…。鼻血が止まらん… (2019年11月18日 23時) (
レス) id: 62ac38a52f (このIDを非表示/違反報告)
Lonely(プロフ) - りんご?さん» 閲覧、コメントありがとうございます。マリー様良いですよね〜！下僕になりたい欲望をぶつけて書きました(´ω`*)気に入ってくださったようでなによりです！ (2019年10月5日 23時) (レス) id: b9652ac74b (このIDを非表示/違反報告)
Lonely(プロフ) - 玲さん» 閲覧、コメント、リクエストありがとうございます。楽しんでいただけているのなら書いている甲斐がありました！悲しさを表現できるかどうか分かりませんが、最善を尽くさせていただきます…！想像と違うものが出来上がっても何卒ご容赦を……!(′･ω･`*) (2019年10月5日 23時) (レス) id: b9652ac74b (このIDを非表示/違反報告)
りんご?(プロフ) - 血の女王好きなので小説で書かれていて何度も読んでしまいました！！笑笑 (2019年10月3日 1時) (レス) id: a099461a17 (このIDを非表示/違反報告)
玲(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいてます！リクエスト？があるのですが「脳に刻む&骨に刻む」の失恋バージョンを読んでみたいです。主人公ちゃんとイライが交際していることを知ったナワーブ君が見てみたい！(←ただの変態でごめんさい！ (2019年9月24日 20時) (レス) id: 750579a695 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：遊歩 x他1人 | 作成日時：2019年1月5日 10時
