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「…伊野ちゃん？」
裕翔が、様子がおかしいのに気づいたのか肩を掴んで声をかけてくれるんだけど…ごめん。
その手を肩から離し、裕翔の顔を見上げた。
俺がこれを望んだから。
みんなの声を聞けなくなるか、自分の声を失うか。
ふたつを天秤にかけた時、音だけは、失いたくないと思ってしまった。
どこまでも我儘だけれど、俺のことを呼ぶ薮の声は
いつまでも聞いていたいと願ったんだ。
「ねえ、俺のことを呼んでみてよ。」
「裕翔…？どうしたの？」
山田もみんなも、この異常な雰囲気に気づき始めた。
未だに止まらない涙のせいで視界がぼやける。
「いのちゃんっ！！」
「ゆーてぃー！！」
肩を大きく揺すられ、その腕を知念が止めた。
「裕翔、急にどうしたの…？」
圭人が裕翔の隣に並び、宥めるように背中を撫でる。
「だって！伊野ちゃん…声が…っ」
「声？」
裕翔に集められていた視線が一斉に俺に向けられた。
「伊野尾くん…なんか、言ってよ…」
高木に柔らかい声で促されて、心が苦しくなった。
薮の命を助けることができて嬉しかったはずなのに、なんでこんなに苦しいんだろう。
首を横に振って、みんなを見る。
ごめん。
ただ動いただけの唇に、光がまた顔を歪めて泣き出した。
これで良かった。
良かった…はずなのに…
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ふぉん。(プロフ) - 美樹さん» 気づいていませんでした！教えていただきありがとうございます。今後気をつけます！ (2018年3月8日 1時) (
レス) id: 3c8233bff3 (このIDを非表示/違反報告)
美樹(プロフ) - 実在する人物が登場しますので、オリジナルフラグを外して頂けませんか？このままでは違反報告の対象ですよ。 (2018年3月8日 1時) (レス) id: e536c968fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふぉん。 | 作成日時：2018年3月8日 0時
