第三十二話「真の目的における私の位置」 ページ34
「イヤッッハァァァァア!!!フゥゥゥウ!!」
___ジャポン!!
と、Aが温泉に飛び込んだ音が聞こえる。
既に入っていた直哉には大量の水飛沫がかかり、漏瑚は嗜んでいたキセルの火は呆気なく消えていった。
なんなら、温泉の真下にすこぉしだけ穴が空いて広くなった。
「人間というものはこう、温泉に飛び込む習性でもあったりするのか」
「断言するけどそんな奇天烈な習性ないよ?どこから情報仕入れてきたかしらんけど、あんな飛び込んで爆笑してる子はAちゃんくらいや」
「そういうもんか....」
湯気を挟み向こう側で面白おかしく泳いでいるAを見ながら2人で語り合う。戦う気は起きず、何故か不思議な気持ちになる。
Aといると会ったことのない人間や呪霊でも、まるで昔会った友のように語れるのだ。本当に可笑しな気分にさせる。
「ふぅ〜泳いだ泳いだ。....漏瑚。良い湯をありがとう。いいね炎、マグマ、火、火山の呪霊は。懐かしいな」
「なんだ、知っておったのか」
「もちろんだとも、昔から私は知っていたさ。私はね、元々ある目的を遂行するために遣わされてるからさ〜」
「おい待て、その__」
「しー、それ以上はダメだ。全ての真実は幕がしっかりと閉ざされた後でってな」
とか少し考えていれば2人の元にAがやってくる。自分の肩に湯をかけてから直哉の隣に座って、またキセルを吹かしている漏瑚に話かけた。
いつかの誰かのように眩しい顔をして、漏瑚はAにあの懐かしさを覚える。知っている雰囲気が何故か漂っている。
そして確信に至った時、それを察したAは妖艶な笑みを浮かべて漏瑚に人差し指を添えた。
「まあ元は目的のために遣わされてたんだが、ちょ〜っと予定が狂っちまってな友人との約束を果たすため、私は律儀に手をしてるわけだ」
「それは話して大丈夫なやつか?」
「大丈夫だよ。直哉くんにも話して大丈夫。これは専任の....夏油傑くんに頼まれててね。自分の身体を排除してほしいとのご所望さ」
「え!?途中で見たあれは傑くんとちゃうの!?」
「違うよ。あんな混沌な魂じゃないもん。気づかなかったのかぁ直哉くん。アレの名前は"羂索"。事の全ての元凶。輪廻から外れてしまった逸れの存在である」
私はそれを解決しに来たんだよと満面の笑みを浮かべて、そろそろ時間だと言って服を着てから走っていった。
第三十三話「全ての奇跡をここに」→←第三十一話「大乱闘スマッシュ超親友ズ」
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mikazuki(プロフ) - すげぇここまで声だして笑えた小説なんてはじめてだわwwwむちゃくちゃ面白かったですありがとうございます!! (1月8日 17時) (レス) id: 303456bd13 (このIDを非表示/違反報告)
ミミック(プロフ) - アッハッハッハ……グッ(死亡) (10月11日 22時) (レス) @page4 id: 552a25aaf1 (このIDを非表示/違反報告)
ナナシさん - カオス過ぎてなんかもうストレスとかブッパされましたありがとうございます!!! (5月6日 0時) (レス) @page43 id: 89253aef59 (このIDを非表示/違反報告)
イレイザー - 何かカオス過ぎてめっちゃ好きッスwwwwwwwwwwwwwwwwww (2023年4月1日 17時) (レス) @page43 id: 442ffadf8a (このIDを非表示/違反報告)
レモン - わぁ!やっと見つけました!ヤンデレになって求婚してきたマジで好きです!シリアスとギャグ描けるなんてすごいっすね!尊敬します!姉貴! (2023年3月17日 22時) (レス) @page1 id: 6a1f0a5309 (このIDを非表示/違反報告)
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