第37話 ページ40
▼
「ラブーン、話がある」
「？」
「お前を私に預けて旅立ったあの海賊達は……もう“偉大なる航路”を離れたそうだ」
「……」
「お前達は確かに仲間で、お前とした約束は紛れもなく本物だったはず。しかし彼らはもう二度とここへは」
「ブオオオオオオオオ」
「……。…ラブーン」
「オオオオ」
「ラブーン！！私の話を聞けっ！！！彼らはもう」
「ブオオオオオオ！！！！」
「彼らはもうこの場所に」
「オオオオオオオオオ」
「ラブーン！！！信じたくない気持ちはわかる！！！しかし受け入れなければ......！！！」
「オ〜〜〜〜〜オ〜〜〜〜〜」
「ラブーン！！！」
「オオオ」
「……お前…」
▲
「……それ以来だ...。ラブーンがリヴァース・マウンテンに向かって吠え始めたのも、“赤い土の大陸”に自分の体をぶつけ始めたのも。＿＿まるで今にも彼らはあの向こうの壁から帰って来るんだと主張するかの様に……！！その後も何度も海賊達のことを伝えようとしたがラブーンは事実を決して受け入れようとしない」
クロッカスさんの話が悲しくて、私はかける言葉が出なかった。
「何てクジラだよ…。裏切られてなお待つか」
サンジさんの言葉にウソップも強く共感する。
「待つ意味もねェのに………！！」
するとクロッカスさんは答える。
「そうだ…。意味をなくすから私の言葉を拒む。待つ意味を失うことが何より恐いのだ。こいつの故郷は“赤い土の大陸”の向こう側、“西の海”。すでに帰り道はない。＿だからここへ一緒にやってきた彼らだけが仲間であり希望だったのだ」
「…でもよ、確かにこいつは可哀想な奴なんだが言ってみりゃあんただって裏切られてんだぜ？…もう放っといてもいいんじゃねェのか？」
サンジさんの質問に対してクロッカスさんは頷かなかった。
「…こいつの額のキズを見ろ…」
クロッカスさんに言われ、私達はラブーンの額を見た。
それはもう言葉に表せないような酷いあり様だった。
「このまま加減なく頭をぶつけ続ければ間違いなくこいつは死ぬ。妙な付き合いだが50年近くもこいつとは一緒にいるんだ。今さら見殺しにできるか…」
私は寂しそうに言うクロッカスさんの表情を見て、悲しく、そして心が痛んだ。
仲間とは…一体何なのだろう。
私も＿＿私もいつかはこの“仲間”に裏切られてしまうのだろうか＿＿
「うおおおおお」
そう思った時、ルフィがマストを持ち、大声で叫びながらラブーンに向かって走って行った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 266人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品が参加のイベント 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あっすー♪ - イベントに参加したんで、評価とコメを書きました！ (2017年12月12日 19時) (
レス) id: 651ac96026 (このIDを非表示/違反報告)
麻琴(プロフ) - とても面白くて読みやすいのでサクサク読めて更新大変だと思いますが他の皆さんと同じように続き楽しみにしてます。季節がら風邪など気をつけて頑張ってくださいね。 (2017年12月9日 14時) (レス) id: 3305a2e1d9 (このIDを非表示/違反報告)
毎日が眠い - めっちゃ面白いです！続編いってますがこの作品、めっちゃ好きです！これからも頑張ってください！ (2017年10月13日 18時) (レス) id: 5bbe59c0b5 (このIDを非表示/違反報告)
てぱゆ(プロフ) - なおさん» 嬉しいです！！！ありがとうございます！！(/_;)/~~ (2017年9月12日 20時) (レス) id: 5667f6847d (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - とても面白いですワンピース好きなので続きを期待して楽しみにしています頑張ってください！ (2017年9月2日 5時) (レス) id: 16a43b07a7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：てぱゆ | 作成日時：2017年6月8日 21時
