#28 ページ28
しばらくの無言の見つめ合い。
『.....うち、ほんとに大丈夫やから行って。』
倫「手、震えてるけど。」
『...平気』
倫「さっきのこわい、って俺がこわいってこと?」
『.....ちがう。』
ほんとに、違う。
倫太郎がこわいって思ったことは1度もない。
倫太郎を拒否すること、そして物理的にも傷つけてしまうことがこわい。
『...ちがうよ。ほんとに、違うんだよ。』
ぼろぼろと涙が零れる。
なんでこうなってしまったんだろう。
あの男のせいだけどうちのせいでもきっとある。
うちは自分を守れなかった。
なにもかも、ぜんぶ。
突然ふわっと体が包み込まれた。
『?!』
一瞬、何が起きたのか分からなかった。
最初に感じたのは懐かしい倫太郎の匂い。
だいすきなやさしい匂い。
そしてゆっくりと温まっていくような体温に徐々に理解する。
今、うちは倫太郎に抱きしめられているのだ。
氷が溶けていくような
冷めた体が一気に暖かくなるような
つぅ、と静かに涙が頬を伝った。
誰かに触れられて幸せだなんて
久しぶりに思ったの。
白昼夢のような夢心地
夢なら一生覚めなければいい。
675人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ましゅまろチップス - 花菜さん» コメントありがとうございます〜!うれしいお言葉ほんとうに元気もらいます!忙しいなか見つけてくれて読んでくれてありがとうございます! (2021年1月3日 13時) (レス) id: e0685c5060 (このIDを非表示/違反報告)
ましゅまろチップス - 茜89さん» コメントありがとうございます!角名と侑と治それぞれのポジションに注目してくれてとっても嬉しいです!見つけてくれてありがとうございます! (2021年1月3日 13時) (レス) id: e0685c5060 (このIDを非表示/違反報告)
花菜(プロフ) - ボロ泣きして目が腫れちゃいました!笑素敵な作品でした! (2021年1月2日 23時) (レス) id: c1e54e4d22 (このIDを非表示/違反報告)
茜89(プロフ) - 凄く感動しました!泣。角名がもう優し過ぎて枕びっちょびちょです!!!泣泣、ツムがほんとにヒーローだったし最後のサムもマジ良すぎて泣きました!ましゅまろチップスさん、神作品読ませて頂き、ありがとうございました! (2021年1月2日 15時) (レス) id: 8347574646 (このIDを非表示/違反報告)
ましゅまろチップス - 律さん» コメントありがとうございます!コメント嬉しいです!! (2020年12月31日 8時) (レス) id: 25fe035f69 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ましゅまろチップス | 作成日時:2020年12月24日 19時