別れてからわかること。【角名倫太郎】

＃15 ページ15

これから大野さんが倫太郎の隣を歩く。









それはうちだけの特権だったのに。









あの男の子の手なのに綺麗ででもちゃんとごつごつしている倫太郎の手と手を繋いで









あの大きな体で抱きしめて









薄い唇でキスをして









その唇で誰かと話して









優しい声で好きだよって言って









外ではしないけど家で2人になったときとかに甘えてきたり









男の子の顔で体を重ねる。









そのときの倫太郎の顔はうちしか知らないはずなのに。









いやだな









いやだなぁ。









倫太郎はもううちの彼氏じゃない。







それはうちが選んだのに。









だいすきなのはもううちだけなのかな。









うちがそんなこと言う資格ないことくらい分かってる。









今ここで泣いていい資格もない。









それでもやっぱりだいすきなのだ。









それを倫太郎に伝えられない。









精神的にも









恐怖心にも勝てない。









わからない。









なんでうちは_______









何に傷ついて泣いてんの？

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