[wrwrd!]絶対的脅威なあなたと私[zm]

30 ナイフ戦は血の匂い ページ32

Side zm


8人での称え合いの様なものを終え、コートに散らばる

Aとは別ブロックだが、隣のコートで試合を行う

俺が第27コート、Aが第26コートだ


A｢ね、ゾムくん｣

zm｢ん、なんや？｣

A｢勝てる自信は？｣


そう言ってAはニヤリと笑う

その妖艶な微笑みに少しふらつきかけるが

今ここで倒れてしまえば棄権扱いになるだろう

グッと踏みとどまって質問に答える


zm「…100%、やで」

A「んふふ、私もだよ」

zm「おん、一緒や」

A「予選、全部勝って一緒に本戦でようね」

zm「あぁ、約束や」


俺たちは固く手を握り合い、

ようやく着いたコートの前で別れる


「目の前で見せつけてくれるなぁ」

zm「…対戦相手のアオ、やな」

ao「はい、よろしくお願いしますね」

zm「あぁ、頼むわ」


対戦表が発表された時、

Aと一緒に相手となる奴らを解析していた

…アオ、1年のSランク

小柄で優しそうな性格、だが

戦闘の時には脅威的な力を見せる

相手と少し距離を置くような話し方もする為

ホントに最初のテストの力が実力かハッキリしていない


zm「…初戦に相手するには結構面倒い奴やな」

ao「お互い様、ですよ」

zm「はっ、それもそうなんかな」

ao「…貴方のお知り合いの相手、僕の幼馴染なんですよ」

zm「おん、知ってる…相手になると思う奴らはみんな調べ上げたからな」

ao「はは、すごい人だ」

zm「お前もヤバいやつやろ」

ao「酷い言われようですね」


話をしていると、教官の声が耳に届く

試合開始の合図だ


「両者構え！…始め！」

zm「ふっ!!」

ao「はぁっ!!」


一撃目は互いのナイフが耳障りな悲鳴を上げ、

互いに元の位置まで吹っ飛ぶ

…やっぱり曲者やな

やけど…お前の戦い方は頭に入っとる

スっと上にナイフを投げる


ao「…は？」


敵前で自身の武器を上空に投げたのだ

そりゃそんな反応になる

俺はそのまま一気に距離を詰める

武器は…"今は"手にない

そんな状態でも相手の攻撃は避ける


zm「パニックで攻撃が荒なっとるで」

ao「うるっさい!!」


ぶぉんっと首元にナイフが掠る

ギリギリで避けることに成功し、右手を胸の前に持ってくる

1秒後、俺の手には

──再びナイフが握られていた


ao「！？」

zm「…終わりや」


俺はアオの首にナイフを突き付ける

時間もあまり経たずに教官の声が再び耳に届く


「第27コート、ゾム勝利!!」


…後はお前やで、A

2戦目も、一緒に頑張ろ

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