乳腺腺維腺腫9 ページ9
翔サイド
昨日よりはだいぶ身体は楽そうになっていてひとまず安心。
ぐすんぐすんと泣いているAを和がよしよししてあげてる。
和、本当にこういうの上手だから。
和「どう？少しは落ち着いたかな？お話できそう？」
うんうんと頷いてはいるものの、まだ泣いている。
本人もやっと言える機会がやってきて内心ほっとしてるに違いない。
A「あのね。ここんとこがね。」
まだティッシュで涙を拭ってるけど、左胸に手を持っていった。
みんな予想外だったのか、なんだろうね？って顔を見合わせる。
A「ここがね、なんかね、変なの。」
変ってどういうことだろうね？
潤「変てどういう感じなの？痛いとかじゃなくて？」
おまけに、ここがねって言われてもどこを指してるのかもイマイチわからない。
和「ここってどこ？胸のあたりだけど心臓のこと？それとも乳房のこと？」
答えにくいのか、言葉では言わず、でもさっきよりもはっきりと左の乳房を指したA。
潤「胸が張ったり痛みがあったりってこと？生理止めるホルモン剤服用させてるからその影響かもしれないけど、それなら片方ってことはないと思うな。」
A「なんかできものあるの...」
そう言って顔を上げたAは、不安が一気に押し寄せたのかまた泣き出してしまった。
「泣かないで大丈夫だよA。ちゃんと言えてえらかった。よしよし良い子だね。」
頭ポンポンしてやると、また涙がいっぱい流れ出ちゃって。
「とりあえず診察してみないとわかんないね。潤は普段乳房診ることある？」
潤「専門じゃないから診断下すことはないけど、患者さんから相談とか受けると診察はするよ。生理とホルモンのバランスと乳房の張りとかしこりって切っても切れないからね。俺は専門外だからって突き放すわけにもいかないし。」
和「じゃ潤にちょっと診てもらおうかA。」
首を横に振ってイヤイヤしている。
和「ずっと気になってたんでしょ？診てもらってできもの何かなーって調べてもらおうよ。」
それでももっとイヤイヤする。
「女性のドクターのほうが良いなら雅に相談して乳腺外科に頼んでも良いよ。」
A「...やだ。」
潤「それもいやなのかーA。じゃどうしたいA？」
A「怖い...」
最近若い人でも乳がんて珍しくないから不安なのは良くわかる。
でもしこりの大半は良性だから年齢や家族歴考えてもそんな心配しなくても良いんだけどな。
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作者名：ルパン
| 作成日時：2016年8月28日 21時
