兄達と旦那さんはスーパードクターズ 28 (ページ48)

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扁桃腺炎(和)13 ページ48

智サイド

僕も本当は病棟での仕事が溜まってるからここで和につきっきりてわけにはいかない。

でも目が覚めたときに一人だときっと寂しいだろうから病棟に連絡をいれた。
病棟の受け持ち患者さんのことならすぐに呼び出してほしい、
その他のこと...
つまりは溜まってるカルテ入力とか検査オーダーとか後から書くって言ったままになってる処方箋とか、
明日には必ずやるからって。

ぶつぶつ文句言われたけど救急にいる和に付き添ってると言った途端に
ナースの声色が変わりそれなら仕方ないですね、お大事にって。

呼吸器のナースだけに留まらず消化器のナースまで虜にしてるのかね、和って。
少年みたいなあどけなさ
子犬みたいな可愛さ、
そうかと思えば頼りに鳴るドクターっていう
いろんな面が女子の心をがっちり掴んでるんだろうな。

「早く良くなるといいね。」

やわらかい髪をそっとなでる。
スースーと寝息を立てている。
眠っている間にしっかり薬が効いて目を覚ますときには少しでも楽になってると良いけど。

腕時計を見ると眠ってから1時間ほど経っている。

もしかしたらネブライザーの薬効切れてきちゃうかなー。
でもステロイド点滴で入れてるから大丈夫かなーどうだろう。

翔は忙しくしてるのかな？
さっきホットラインが立て続けになってるのが聞こえてきて
しばらく慌しくスタッフが動き回ってるのがカーテンの向こう側から伝わってきた。

救急搬送されてきた患者さんを最優先するのは当然だけれど
モニターしてる患者さんの様子も1時間おきくらいには診に来るはずだけどなぁ。

そう思ってるとこちらに向かってくる足音が聞こえた。

『失礼しまーす。調子はどうですかぁー。』

聞きなれない声がしたと同時にカーテンが開けられた。

僕よりもだいぶ年下の感じがする。

『眠れてますね、良かった。翔先生、ちょっと手が離せない処置中で代わりに様子を見に行くように言われたんです。いつも翔先生には厳しく指導してもらってます。』

丁寧に頭を下げる若手ドクター。

「あ、初めまして、翔の兄の智です。ここの消化器のドクターです。」

『あ、こちらこそ初めまして。森川です。ずっと眠れてるますか？』

視線を和に移し聞いてくる。

「1時間くらいずっとこんな感じです。ネブライザーの効果が切れてこないかちょっと心配なんだけど、起こすのもなーって思ってたところ。」

『ちょっと診させてもらいますね。』