扁桃腺炎(和)4 ページ39
和サイド
「やだもん。」
智「少しは良い子にできないのー和？」
「やなの。」
ちょっと風邪っぽいってだけなのに、
智兄も翔兄も喉診せろ、胸の音聞かせろ、お腹診せろって。
やだよ、やーだやーだ。
翔「さっき部屋ではお口開けてくれたじゃん和、どしたの？」
どしたのって？
みんなに囲まれて恥ずかしいの！
ご飯食べ終わってさ、ソファでのんびりしようと思ったら両横に智兄と翔兄。
目の前の床の上にはごろーんと寝転んだ雅。
その横にはあぐらかいて座ってテレビ見てる潤。
こんな勢揃いなのに、
でっかい口あけたり
シャツ捲り上げたり
ズボン下げられたり、そんなのやだもん。
「大丈夫なの。お茶いっぱい飲んだから。」
翔「水分補給気をつけてしてるのはえらいけど、喉腫れてたら抗生物質必要かもしれないし、胸の音聞いておかないと喘息出ちゃう可能性もあるでしょ？」
聴診器を膝の上に乗っけて手にはディスポの舌圧子とペンライトが握られている。
智「すぐだよ。3分もあったら喉見て聴診してお腹触診できるから。」
隣に座ってた翔兄が立ち上がり目の前にたった。
首に聴診器をかけ舌圧子とペンライトを構えて。
翔「上向いてあーんしてごらん和？」
すんごい優しい顔と声で言われて思わず言われたとおりにしちゃった。
智「なーんだ、ものすごい素直じゃん。」
隣で智兄が笑ってる。
潤「小児科の患者さんみたいで可愛いよ和兄。」
また末っ子がいらんことを言う...
翔「ちょっと舌おさえるよー、あーって声出して。」
「あぁぁ、ゲホゲホゲホ。」
翔「ごめんごめん、むせちゃったね。」
背中トントンしてくれる智兄。
智「どう？腫れてる？」
翔「多少赤くなってるかなーって程度だね。咳ちょっと重たそうだね。」
首にかけてある聴診器に手をのばすと連係プレーのように智兄が服を捲り上げた。
翔「はいはい暴れないでじっとしてなさい。」
潤がまたいたずらっ子な顔してこっち見てるしぃー。
翔「口からゆっくり深呼吸してね和。」
潤「和くん、上手にできてますよー。」
「潤！お兄ちゃんを子ども扱いするなぁ。」
翔「しゃべらないのー和。聞こえないでしょ？」
智「ちゃんと深呼吸しなさい和。」
お兄ちゃんたち2人に言われて仕方なく従う。
舌をペロっと出してごめんねって言ってるつもりの潤だろうけど、
全然反省してるように見えないからね。
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作者名：ルパン
| 作成日時：2016年8月28日 21時
