どうなっちゃうの?5 ページ17
潤サイド
目の前で仁王立ちしている翔兄の顔を見ることもできず俯いたままの俺。
数ヶ月前のAとのやりとりを思い出してみる。
時間を戻すことができたらな...
思わず大きなため息をついた。
翔「ため息ついて後悔しても手遅れなことだってあるんだよ潤。」
そう厳しく言い放たれた言葉が胸に突き刺さる。
数ヶ月前。
A「ねぇ潤兄、生理痛の薬ちょうだい。」
「前に出してたの飲んじゃったの？」
確か先月も処方したと思うんだけどな。いや先々月だったか？もっと前だったのかな？
ここんとこ忙しくて覚えてないや。
「今痛いの？」
A「うん。でももうないの。」
「オッケー。じゃ今はおうちにあるの飲んでおこうか。」
戸棚の薬箱からコデインを2錠取り出し渡す。
「明日病院まで処方箋取りに来る時間ある？そうかトモ君に渡しておこうか？」
A「友達とご飯行く約束してるから時間ないかなー。トモ君はきっと病院泊まるから会わないと思う。」
「じゃ俺が薬剤部から薬もらってくるね。明日もここに帰ってくるんだよね？」
A「うん、ありがとう潤兄。明日の朝とお昼飲む分もある？」
そんなに飲まないと痛いのかな。
まぁ持ってるだけで安心てこともあるか。
「じゃ4錠渡しておくね。なるべく空腹時は避けて飲んでよ。あと便秘しやすくなるからいつもより気をつけて水分多めにとるようにね。できたらあったかい飲み物だよA、体冷えちゃうからね。」
A「わかってるよー潤兄。潤兄も翔兄みたいに心配性になってきたの？」
「えー翔兄ほどの心配性じゃないよー。ただAのこと心配なの。」
翔「ちょっと潤、黙ってたらわかんないんだけど。智兄だって和だって仕事戻らないといけないんだよ。」
翔兄の言葉で現実に引き戻された。
心配だったなら何で診ておかなかったんだとまた後悔。
和「ちょっと翔兄、さっきから怖いよ。そんな態度だったら潤だって何からどう説明していいかわかんないじゃん。」
俺がこんなだから和兄にまで心配かけちゃって、情けない。
智「そうだよ翔。現実はそこに並んでるMRI画像が物語ってるんだから、先月のこととか先々月のこととか話したって仕方ないじゃない。時間戻すことできないんだからさ。」
翔「2人とも甘いんじゃないの。これが一患者さんだったら訴訟に発展しててもおかしくないと思うけど。ろくに診察もしないで鎮痛剤だけで渡してたなんて医者として許されるべきじゃないよ。」
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作者名：ルパン
| 作成日時：2016年2月23日 20時
