手足口病(潤)9 ページ9
翔サイド
え？何？？
あいたたた...
気がついたらどうやらすっかり寝入ってしまっていたみたい。
状況を把握するのに少し時間が必要なんですけどぉ...
床の上で寝てる俺。
で、その俺の体の上にベッドから落ちたのか、潤の体がどっしり乗っかってる。
「潤、潤？ベッドから落ちちゃったの？大丈夫？ちょっと潤。」
声をかけても返事がない。
「ねぇ潤、どうした？」
力の抜けきった体ってこんなに重たいんだっけ？
潤「翔にぃ〜。ううー。ひとりぽっちいやぁーーー。抱っこー抱っこー抱っこーーー。」
子供がぐずるみたいに体をすりすりと摺り寄せてくる。
もうーまったくぅー可愛くて仕方ないんだけど...重たい...
「ちょっとこの体勢だとしんどいでしょ潤。抱っこしてあげるからベッドに戻ろう、な？体起こせる？」
潤「むりぃ〜。翔にぃ抱っこしてー。抱っこー抱っこなのぉー。ぜーんぶ痛いのー。潤くんしんどいんのぉー。」
埒があかないので潤の身体を少し持ち上げる。
よいしょっと、すり抜けて、そっと潤の身体を床に横たえてっと。
潤「やぁーひとりぽっちにしたらいやだぁ翔にぃ。」
「ひとりぼっちじゃないよ潤。翔にぃここにいるでしょー。ほーら一緒にベッドで寝んねは？ぎゅーってしてあげるよ。ほら、ベッドに戻って潤。体痛い痛いなっちゃうから。」
潤「からだぜーんぶ痛い痛いのーーー。げぇなる...うぅぅ。」
え？まさか吐いちゃうの？ちょっと待ったー潤。
急いで身体を起こしてとりあえずベッドにもたれかからせて、ゴミ箱引っつかんで潤の顔の前に差し出す。
「大丈夫か？おえってなるの？げぇ出ちゃいそうなら我慢しなくて良いよ潤。」
身体を密着させて隣に座り肩に手を回し身体をさすってやる。
潤「ううぅ..ううぅ..げぇっ。」
えずくだけみたい。かわいそうに。吐き気止め追加したいところだけど、あれやこれや薬剤増やすとその分副作用も多くなるし...
しかも水飲んですっきりしようにも口内炎だらけだから半端なくしみるだろうし。
眠れるのが一番なんだけどなー。
潤「げぇ出ない...気持ち悪いだけなの。翔にぃ...ぐすんぐすん。」
泣いてるのか鼻をすすってる。頭をコテンと乗っけてきた潤。
どうにかしてあげたいけど...医者って肝心なときに役に立たなかったりするんだよなぁー。
ただ抱き寄せてよしよしって撫でてあげることしかできなかった。
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作者名：ルパン
| 作成日時：2015年7月15日 21時
