手足口病(潤)7 ページ7
翔サイド
10分ほど背中をゆーっくりさすってあげてると次第にもぞもぞと動かなくなった。
その代わりスースーと寝息が聞こえてきた。
とりあえずは眠れたかな。
電気スタンドの灯りだけじゃ暗いけど、潤の掌を見るとポツポツと水泡ができてるのが見える。
手にこれだけあるってことは足にもできてるだろうなー。
足の裏に掌の痒みってかなり辛いと思う...
明日の朝目覚めたら、まぁ運よく朝まで目が覚めずの話だけど、痒みと痛みとの戦いが数日続くことになりそうだ。
おでこに触れるとまだまだ熱い。
点滴に解熱剤入れたのに全然効いてなくないか？
起こさないようにそっとベッドから立ち上がり体温計に手を伸ばす。
耳にかかった髪の毛をよけて体温計を耳に挿しこむ。
どうか起きませんように。
ピピピと鳴った計測完了音さえも大きく響き渡ってる気がしてしまう。
抜き取り電気スタンドの灯りの近くに持っていく。
39度3分。
だめだな。熱下がってないや。
とりあえず少しでも下げてあげないと明日の朝までもたないし体に良くない。
和が持って帰ってきてくれた薬と雅が置いていってくれたドクターズバッグを持って廊下に出る。
部屋の中でゴソゴソして起こしたら可哀相だからね。
和「翔兄？何やってるの、こんなとこで。」
自室から出てきた和がちょこんと横に座り込む。
可愛いんだから、いちいち。
「いや潤の熱がさ全然下がんないの。39度3分。なんとか眠れてるんだけど、ちょっと心配でさ。どうにかして熱下げなくちゃと思って。」
和「まじで？ちょっと良くないね。さっき追加した解熱剤全然効いてないってことだよね？」
「そうだね。他に何か持って帰ってこなかった？」
そう聞くとゴソゴソと袋に可愛い手を突っ込み次から次へと薬を出して広げる和。
ドラえもんが慌ててポケットから道具出してるみたい。
和「うんとね、メチロンあるはず。ちょっと待ってね。ほら、あったよ。皮下注しちゃおう。血圧下がったら怖いけど、今はとりあえず熱下げるの優先だよね？」
「だね。じゃ俺が注射しちゃうから和は血圧モニターしてくれる？」
こくんこくんとうなづいてそっと潤の部屋に入っていく和。
そっとタオルケットを捲くって腕にカフを巻きつけてる。
今のところ起きる気配はない。
和「とりあえず今の血圧はね110/80だね。良いよ注射してくれて。」
誰かがいてくれるとそれだけで俺も安心できる。
「起きないでよー。寝んねしてたら良いからねー潤。」
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作者名：ルパン
| 作成日時：2015年7月15日 21時
