風邪ひき潤くん10 ページ44
翔サイド
「はい、お茶とジュースどっちにするの？」
智兄が両方コップに入れて持ってきてくれた。
潤「いらなぁい。喉ね渇いてないよ。」
智「喉渇いてなくてもしっかり飲まなきゃ潤。後からしんどくなっちゃうぞー。」
お茶のコップにストローさしてくれて口元まで近づけている。
「ほら潤、抱っこしたら頑張って飲めるって言ったでしょ？約束したよ翔にぃと。」
約束したって言えば頑張って飲んでくれるかなーと淡い期待をしてみる。
潤「いらないのぉーっ！」
そう言って手でコップを払いのけようとして勢いつきすぎたらしく、智兄の手からお茶の入ったコップが滑り落ちてしまった。
智「あーあー床にこぼれちゃったよー。」
「こらぁ潤、折角智兄が持ってきてくれたのになんてことするのー。ごめんなさいして。」
仕事で疲れて帰ってきた智兄はいやな顔ひとつせずに末っ子甘えん坊くんに付き合ってくれてるけど、やっていいこととだめなことははっきり言ってきかさないとね。
って、何歳の子の話をしてるんだ...
潤「お茶いらないっていったもん潤。」
謝るのが照れくさいのか臍曲げちゃったのか知らないけど素直じゃない潤。
「あっそ。じゃお茶飲まなくても良いけど、あとから脱水してお熱あがってしんどい思いしちゃうよ潤。和も智兄も心配してくれてるんだよ。」
都合が悪くなるとうーとかくうぅぅとか声出す潤。
肩に頭ぐりぐり押し付けてくるし。
智「いいのいいの。喉渇いてなかったんだもんね潤。」
和「そうやって甘やかすの良くないよ智兄。しっかり水分補給はしなくちゃ。喉渇いてなくても。後から余計しんどい思いさせちゃうことになるんだよ。」
和がもっともなことを言う。
俺からもちゃんと言うと思って口を開けると予想外の言葉が智兄の口から出た。
智「喉渇いてなくて飲みたくないなら仕方ないね。その代わり点滴しようねー潤。あとからしんどくなっちゃわないように、今頑張ろうねー。」
え？まじ？って思わず和と目があった。
智「和、晩御飯の用意してるところ悪いんだけど、点滴セット持ってきてくれる？風邪の引き始めで熱上がる可能性もあるし。」
すっかりビビッてしまった潤は俺にがっしり抱きついてるんだけど、智兄に左腕を取られて少しプルプル震えてる。でも抵抗する勇気はないみたい、笑。
「大丈夫だよ潤。後からしんどくならないようにって智兄がね心配してくれてるの。智兄は針刺し上手だからさ。」
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作者名：ルパン
| 作成日時：2015年7月15日 21時
