扁桃腺炎(潤)10 ページ10
潤サイド
痛いの...
体も熱いし痛いしだるいし。
全然寝れなかったし。もうやだ..ぜーんぶやだ。
そう思うと智兄にぎゅーと抱きついていた。
細いんだけど筋肉質でやっぱり一番上のお兄ちゃんだから安心感があって。
何も言わずにずっと頭なでなでしてくれる。
翔「じゅーーん、少しは落ち着いたかな。あらあら大きな赤ちゃんになってるの？」
智「体まだまだ熱いわ、早く熱下げてあげないと。」
翔「とりあえず点滴だけつないでしまうね。潤、お手手見せて。」
翔兄の手が腕に触れた。
ひんやりして気持ちよいって思うのはそれだけ熱が高いってことなのか..
どれにしようかなーって鼻歌まじりで腕をペチペチ叩いたりギューギュー縛ったりしてる。
「んんーー。」
いい加減いやになってきて声をあげると、智兄がまた優しく頭をなでてくれた。
翔「よーし、ここにしよう。ちょっとヒンヤリするよ消毒するからね。」
言い終わらないうちにサッと腕に冷たい感触があり、チクっとした。
針刺すって言ってないのにーー。
「やぁぁぁーーっ。痛いぃぃー。ゲホゲホゲホ。うぉぇ。」
智「あらら大丈夫潤？もう針入ってるからね。もうすぐもうすぐ。吐いちゃいそうなら我慢しないで教えてよ。」
翔「はい、入ったよ。これでとりあえず大急ぎで水分だけ潤の体に送るよ。干からびちゃったら困るからね。よく頑張りましたー。」
翔兄は智兄みたいに優しくない頭のなでなでだ。
骨ばったでも肉も少しついた太い指でゴシゴシゴシと頭をなでられる。
智「じゃ体起こそうね。ベッドの背立てるよ。仰向けで楽にしててよ。」
「やぁ〜。」
智兄から離れるのがいやでどうにか抱きついたまま頑張ってみるけど、翔兄に引き剥がされちゃった。
翔「汗すごいかいてるなー。もう1本ルート取りたいけどどうしようかな。」
え？また針刺すの？もうやだ..
智「嫌がるよー。昨日の夜から点滴でしょ？ちょっと今入れてるの全開にして様子見たら。経口から水分取れると良いけどまあ無理そうだわ。口も開けれないくらい痛いみたい。」
翔「泣かせちゃうとまた体力消耗するだけだしとりあえずこれで様子みようか。じゃ、お口あーんしてくださぁい。」
ペンライトと舌圧子を構えた翔兄が目の前にいる。
ギュと口をつむったままでいると指でほっぺたをツンツンされた。
翔「あーーーん、だよ潤。んーーーじゃないよ。」
無理やり舌圧子を口に滑り込ませてきた。
救急のドクターって遠慮がないんだから。
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作者名：ルパン
| 作成日時：2014年10月12日 21時
