扁桃腺炎(潤)9 ページ9
智サイド
「もう泣かない泣かない。そんなに泣かないの〜。」
結局昨日は病院に泊まることになり、家に帰ろうかなと着替えていると院内PHSがなった。
また呼び出しか...とさすがに気持ちが重くなったよ。
でも相手は翔からで潤が扁桃腺炎による高熱で救急にいるから疲れてるところ悪いけど来てくれないか？って。
もちろん可愛い可愛い末っ子ちゃんのためならへっちゃら！
と、思って来たんだけど...
ずーーーっっと泣いて泣いて...
イヤイヤ言いながらブランケットに包まってしまうから診察も処置も何もできない状態。
ティッシュ何枚使って涙拭いて鼻水拭いることか。
「ほーらーそんなに泣いたら呼吸も苦しくなっちゃうよー潤。翔に診てもらって早くお薬いれてもらおうよ。潤の体しんどいよーって言ってるでしょ？」
潤「しんどいのぉー。お家かえるぅ。智にぃ、おうちーー。」
とりあえず落ち着いたら呼んでと言い残して仕事に戻った翔。
時計を見るともう30分以上も前のこと。
「お家はね、夕方に翔が仕事終わったら一緒に帰ったら良いでしょ？それまではココでゆっくり寝んねしてなくちゃ。まだお熱だし喉も痛いでしょ？もう痛くないの？」
潤「いたぁ〜い...ごっくんできない...熱いの...」
「でしょー？じゃお薬で早く元気にならないとね。翔呼ぼうか？」
潤「ん...」
それは嫌なのか...
「じゃ智兄にお口あーーんてできる？」
潤「できない..」
「じゃ今日ここにお泊りになっちゃうかもね。夜1人で病院は寂しいなー。」
ちょっとかわいそうかなと思うけど見るからに体力を消耗していってる潤に早く点滴だけでも入れたいと思って意地悪を言ってみる。
潤「ぁーーー...」
本人は大きい口を開けてるつもりかもしれないけど、全く見えないよ...
小さいスプーンも入らないんじゃないかって隙間。
でも折角協力的になってきたんだからどうかこのまま全部終わらせたい。
「もうちょっと大きくあーーん。上向けるかな？」
首を横に振る。なんでーー。
「痛くてお口あーんできないの？」
一層目を潤ませて頷く姿がかわいそうだ。
早いとこ翔に診てもらってなんとかしなきゃ。
「じゃ翔呼んで痛いのやっつけてもらう？」
不安そうな顔をしながらも頷いたのでカーテンを開けて翔を探す。
忙しそうに動き回る翔だけどすぐに気づいてこっちを見て手を挙げてくれた。
「すぐ来てくれるからね。」
頭を撫でてやると腰にキューっと抱きついてきた。
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作者名：ルパン
| 作成日時：2014年10月12日 21時
