喘息(翔)9 ページ24
和サイド
3人でごちゃごちゃ話してたせいか翔兄が目を覚ましちゃったみたいだ。
「あ、起こしちゃった？息するのどう？苦しい？」
翔「ん？ゲホゲホ...」
聴診器を当てなくても呼吸の合間にピューピューって音が聞こえる。
「点滴しようね。吸入だけだとちょっと力不足みたいだから。点滴で水分補給しながら気管支拡張剤も入れようね。それで楽になると思うよ。お茶飲めそう？」
潤が翔兄の身体を支えてあげて上体を起こしてあげている。
翔「んんーぅぅぅ..もう、やぁぁ..ゲホゲホ..ゴッホゴホゴホン..いたぁい..」
ん？今痛いって言った？
智「ん？どこが痛いの翔？」
智兄も聞こえたんだね。最後に小さい声でボソッと言った言葉。
翔「んんんーーー...ゲホゲホン..ヒューヒュー。」
呼吸のたびにものすごい苦しそうな音が響く。
「ちょっとごめんねー。潤、翔兄の服上の方まで捲くりあげてくれる？」
潤「うん了解。ちょっとごめんね、翔兄。」
翔「やぁぁ〜。」
グダグダして呼吸が苦しいにも関わらず横になろうとする翔兄。
「少しの間だけじっとしててよ、翔兄。胸の音聞かせてよ。どこが痛いの？」
潤「咳のしすぎで痛いのかな？」
「これだけ咳出てると筋肉もかなり使ってるだろうしね。肺炎とか起こして中からの痛みじゃないと良いけど。」
聴診器を胸に押し当てると大人しくなった。
浅いく速い呼吸が酸素を肺の奥まで取り込めてない証拠だね。
ゼェゼェピューピューしてる。
発作時の吸入してこの状態かー。
「ベネトリン吸入したの何時ごろ？」
智「2時間ちょっと前かな。僕が帰宅したときにも結構咳してて聴診器当てなくても喘鳴聞こえてたから。2回吸わせた。」
「そっかー。ちょっと背中でも聞かせてね。」
そういうと潤が翔兄の肩を支えてやり前かがみの体勢をとらせてくれた。
俺も立ち上がって背中に聴診器を当てる。
相変わらず綺麗な背中だなー。
中から聞こえてくる音は...
「肺野、右も左も全野で喘鳴聞こえる。これだいぶしんどいはずだけどなー。よし、点滴入れようね。心拍数に気をつけながらちょっと速めに落とそうかな。腕見せてね、翔兄。」
翔「やぁぁーー。ううぅぅーー。んんーーー。」
智「ほーら翔。今苦しいでしょ？和が楽にしてくれるから大人しくしてなさい。」
翔「やぁーー...」
腕を引っ込めようとするのを智兄と潤、2人に押さえられてますます機嫌が悪くなる翔兄。
でも点滴しないと後からもっとしんどい思いしちゃうから。
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作者名：ルパン
| 作成日時：2014年10月12日 21時
