扁桃腺炎(潤)3 ページ3
和サイド
ただいまーと言ってリビングに入ると、いつもなら潤がキッチンからお帰り〜って声かけてくれるんだけど、俺の目の前に広がる光景は...
「何やってるの？」
雅「あ、お帰り、和兄。あのさーなんか熱冷ましなかったっけ？」
戸棚から薬箱を出したみたい。
テーブルの上に広げて、というかぶっちゃけてる雅。
「薬のことだったら潤に聞いてよって、具合悪いの？」
近づいて横から手を伸ばしおでこに触れてみる。
うーん平熱っぽいけどな。
じーっと俺の顔を見つめてくる雅。
雅「俺じゃないよー。潤が熱出してるからさ。」
え？そうなの？だからキッチンに姿もないし、雅が薬箱ぐちゃぐちゃにしてるんだ。
「解熱剤安易に飲ませないほうが良いと思うけど。診た感じはどうなの？熱、どこから来てる？」
雅「え？診てないよー。水分摂らせようとしても全然だめだから、じゃ熱下げようかなって思ってさ。」
ドクターとは思えない発言なんだけど...
「あのさーそれって何も根本が解決されなくない？喉腫れてるとか咳酷いとか、なんかあるでしょー。熱出してるって何度？」
雅「38度1分。過労からの熱にしてはちょっと高いかなって思うんだけど。」
「そうだね、微熱とは言えないね。本人は他に何か訴えてないの？」
雅「うーんよくわかんない。布団かぶってイヤイヤしてる。」
「だから何もしてないってか診てないってこと？」
雅「脈はね、ちょっと速かった。」
なんて曖昧な適当な情報だよ。ちょっと速かった...それでも外科のドクターなのか？？
「それだけ？」
雅「そんなこと言われたってさーあのグダグダ末っ子甘えん坊を1人でちゃんと診察して薬与えてって無理だよー。」
まあ確かに雅の言うとおりかもしれない。
末っ子くんは何をやっても許されると思ってるふしがあるからね。
まああながち間違ってないけど。
「わかったわかった。じゃ一緒に様子見に行こう。部屋で寝てるの？」
雅「そう。」
「輸液パックあるかだけ確認してくれる？なかったら智兄か翔兄が帰って来るときに持って帰ってきてくれるように伝えて。」
雅「了解。和兄帰ってきたら診てもらおうなーって言ってるからよろしくね。」
結局俺に丸投げしたってことじゃん...
まあ熱出してるときの潤ってウルウルした目と桃色のほっぺたで最高に可愛いから良いんだけど。翔兄が戻ってくるまでの間は俺が独り占めしちゃおうかなー潤のこと。
「じゅ〜ん、お熱なんだってー？」
ドアをそっと開ける。
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作者名：ルパン
| 作成日時：2014年10月12日 21時
