喘息(翔)4 ページ19
和サイド
「ちゃんと吸入使ってる？今の時期、自分でも喘息出やすいってわかってるでしょ？1日2回は服用しないとだめだよ。ねー聞いてるの？」
目の前でオムライスを頬張ってる翔兄に話しかけてるんだけど...
食べてるときにこの人に話しかけるのは間違ってるのか。
翔「うーーうまいーー。やっぱり美味しいよねーオムライス。でも俺はやっぱり潤の作ってくれたオムライスが一番好きだなー。」
ほら、全然聞いてないし...
「あのさーー翔兄。」
翔「なんだよー和。ほらお前もちゃんと昼飯食わないとまたぶっ倒れちゃうよ。」
「俺のことは今良いの。ねえ、ちゃんと吸入してるか聞いてるんだけど。明け方とか咳で目が覚めたりしてない？」
翔「ん？吸入ねー使ってない。咳で目覚めちゃう。」
やっぱり...
しかもね、こういうことを主治医の前でさらっと言うところがさ。
「だめじゃーーん！てか吸入ちゃんと持ってるでしょうね？」
翔「...」
「持ってないの？俺、昼から病棟だけどそんなに忙しくないから、ランチ終わったら外来おいで。」
翔「やだよー。」
「やだよーじゃないでしょ。喘息はちゃんとコントロールすれば発作もでないし苦しい思いもしないで済むんだから。言うこと聞きなさい。」
翔「俺が和のお兄ちゃんだよ？」
「そんなこと知ってるよ。でも翔兄は俺の患者さんなの。最近、全然診察もしてなかったし、どうせ処方箋渡さなきゃいけないし、ご飯終わったら一緒に外来行くからね。」
そう言ってもまだ何かブツブツと文句を言ってる。
「夜中に大きな発作出てまた苦しい思いしたいの？点滴して酸素流して数日は入院なっちゃうねー。」
さっきまで嬉しそうにオムライスを頬張ってたのに突然スプーンを置いた。
ちょっときつく言い過ぎちゃったかな。
翔「和先生は優しいって評判なのに俺には意地悪なのー？」
なんか数時間前も同じこと言われたような...
優しいから言ってあげてることなのに。
「意地悪じゃないよー。本当に今の時期はしっかりコントロールして発作起きないようにしないと、ね？一度発作起きると癖になってしばらくしんどい日が続いちゃうでしょ？だから、そうなる前に予防しようねって俺は言ってるの。」
翔「ふぅ〜ん。」
口尖がらせて、ふーんだって...子供じゃあるまいし。
「ほら、早く食べちゃいなさい。一緒に行くよ。」
翔「はぁい。喘息出たらやだなー。出ないようにしてくれる？」
「任せなさい！」
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作者名：ルパン
| 作成日時：2014年10月12日 21時
