喘息(翔)3 ページ18
翔サイド
ケホケホ、コンコン。
もうーーっ、うっとおしいなぁ。
コンコン、ゲッホゲホ...
ここ数日、明け方に咳が出て目が覚める。
疲れてるのに睡眠もまともに取れず..気がついたらもう起きないとっていう時間で。
で、その咳が日中もちょくちょく続いて...
ふわぁ〜っ。また大きなあくびが出たよ。
腕時計に目を落とすとちょうど休憩の時間だ。
とりあえず何か食べて少しでもエネルギーつけないと。
「昼休憩行ってきまーす。救急搬送続いて人手足りなかったら呼び出してー。」
誰にというわけでもなく少し大きな声で言って救急センターを出る。
何食べようかな〜。
ふと前を見ると、あれ？和じゃない？
こっち向かってくるってことは具合でも悪いのかな？
季節の変わり目だし体調崩しちゃった？
早足で和のほうへと向かう。
「どうしたの、和？今から俺食堂行くんだけど、救急に用事あった？具合悪いの？」
俺の顔を見るとにっこり笑う和。相変わらず可愛いなぁ。
和「救急に用事があるってのは間違ってないけど、具合は悪くないよ。」
「あれ？誰かコンサル頼んだ？呼吸器系の患者さんでそんな重篤な人いたかな？」
さっきまでいたセンターの地図を思い浮かべどのベッドにどの患者さんがいたかを考える。
和「ううん、コンサル頼まれてない。」
話が見えてこない。
「具合悪いの隠してたらだめだよー。ここまで来たんだったらちゃんと翔兄に言いなさい。どうした？お腹痛い？頭？風邪引いた？」
顔見ながら聞いてみるんだけど顔色悪いわけでもないしな。
和「だーかーらー、俺は平気だって。翔兄のこと心配だったから来たの。季節の変わり目だし、最近喘息の患者さん一気に増えたからどうしてるかなーって思って。家でもあんまり顔合わさないしさ。」
勘が良いのは困るな。
「大丈夫、大丈夫。俺の心配なんてしなくて良いよー。」
何故か少し挙動不審になってしまう俺。
しかもタイミング悪く咳出そうだし..
んんんっ..ケホ..んんん..
俯いて上手く隠せたかなと思ったんだけど、可愛い和の顔が目の前にあった。
かがんで俺の顔を思い切り覗き込んでいる。
和「あれれ？？咳出てるんじゃないのかなぁー？和先生に隠し事はいけませんよー。」
少し意地悪そうな顔してる。いたずらっ子みたい。
ゲホゲホ..
もうばれたなら仕方ないと思った途端、咳が立て続けに出てきた。
ゲホゲホゲホ、ゴッホゴホ。
「ちょとね、むせちゃった、ゲホッ。」
全然説得力ないな。
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作者名：ルパン
| 作成日時：2014年10月12日 21時
