扁桃腺炎(潤)2 ページ2
雅サイド
ちょっと思ったよりも熱が高いな。
ピピピっとなった体温計を脇から取り出す。
『38度1分』
「潤、熱38度以上あるけど、いつごろから具合悪かったの？」
とりあえずこれだけ熱あると全身の倦怠感も相当なものだろうし、水分補給だけはしっかりさせないと急激に悪化することもある。
脈もやや速いし。
「ちょっと水分補給したほうが良いね。お水かお茶か何飲めそう？」
潤「...」
はぁはぁと少し乱れた呼吸が聞こえてくるだけで返事をしない。
「潤、水分しっかり摂らないと体もたないよ。お茶だったら飲めそう？そうかジュースとか甘いものの方が良い？」
体疲れてるときは糖分も必要だったりするからね。
潤「...お、お茶..」
「わかった。じゃ待っててね。氷枕する？冷えピタだけで大丈夫？」
潤「やぁ..いやぁ..」
何がいやなのかもわかんない...
体しんどくて辛いっていうことはわかるんだけど。
自分でも何言ってるのかわかってないのかもな。
「とりあえずお茶持ってくるね。」
急いで階段を下りてキッチンへ。お茶と水のペットボトルを2本適当に掴んで急いで戻る。
「はい、体起こそうね。頑張って飲んでよ。」
潤「やぁー...喉渇いてないのぉ〜...」
「喉渇いてなくても飲まないと。潤ね、今お熱あるでしょー？お熱のときは水分しっかり摂らないと潤カラカラになっちゃうよ。ほら、ストロー咥えてチューってしてごらん。」
もう一度口元まで持って行くけとそっぽを向いて眉間に皺を寄せて露骨にいやな表情をする。
「お茶飲めないんだったら和兄帰ってきたら点滴しなくちゃいけないよ？」
ちょっと脅かすつもりで言ったのに逆効果だったらしい...
ただでさえ熱で潤んでいた目にみるみるうちに涙が溢れてきた。
潤「ううぅ..ふぅふぇっ、ふえ〜ん。いやぁ〜。ゴッホゴホ..」
あーあー泣き出しちゃったし、むせちゃった。
布団もすっぽり頭までかぶってしまった...
俺1人では手に負えないんだけどー。誰か早く帰ってきてくれ〜。
「ごめんごめん潤、点滴しないから頑張ってお茶飲もうよ。お茶飲めたら点滴しないから、ね？」
背中をゆっくりさすってやりながら優しく優しく話しかけてるんだけど、
潤「やああぁぁぁーーーっ。」
あーあ..末っ子ちゃん、可愛いんだけどさぁー水分摂ってくれないことには後から痛いことしちゃうよー。
「じゅ〜ん〜、ちょっとだけでも良いから飲もうよー。」
もうこうなったならお願いするしかない。
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作者名：ルパン
| 作成日時：2014年10月12日 21時
