体調不良(潤)10 ページ10
翔サイド
さっきより顔色も良いしよくしゃべるし、きっと身体的には楽になってるんだろう。
でも目が覚めた時に誰もいなくて寂しくて甘えたいんだろうなぁー末っ子潤くんは。
だけどまあ倦怠感と腹痛訴えてるから念のため診ておかないとね。
救急にいるにも関わらずちゃんと診てなくて悪化でもされたら洒落にならん。
「お熱測ってポンポン診せてくれたら抱っこしてあげられるよ。今そんなに救急忙しくないから翔兄、潤のそばにいてあげられるよ。」
まだ少し熱があるのか潤んだ目で俺を見つめてくる潤。
そばにいてあげれる、というと少しだけ嬉しそうな表情になった。
やっぱり甘えん坊さんしたいんだね。
自分からタオルケットをはいでお腹も丸出しにしてくれた。
珍しいなー。こんなことそうそうあることじゃないけど、それだけ抱っこへの期待度が高いのか。どうか救急忙しくなりませんように。
「えらい、えらい。お膝も立てれる？そうそう。どこが痛いか指差して教えてくれる？」
手をお腹の真ん中あたりに置く潤だけど、いまいちはっきりしないって顔してる。
なんとなく全体的に痛いってことなのかなぁ。
「そっか、真ん中らへんが痛いのね。痛いところは最後に触るからお腹力入れないでリラックスしててよ。」
じーっと俺の顔を見つめながらコクン、と頷いた潤。
お腹に手を置くとあったかい。まだ熱あるな、この感じだと。
疲労からくる熱だろうけど。血液検査も少しだけ白血球値上がってるだけで炎症反応は出てなかったし。
お腹全体を優しく触ってみる。
「触っても痛くなぁい？この辺も大丈夫かな？」
お臍周辺をクイクイと指先で数箇所押さえてみるけど特に痛みは訴えない。
輸液だけしっかり入れてもうしばらく様子見ようかな。
熱が下がってきてくれると良いんだけど。
潤「抱っこ..」
触診を終えてしばらくすると両手を伸ばしてきた潤。
少し前かがみになるとそのまま両手を首に回してきた。
和と違って潤は大きいしごついから抱き上げることはできないんだけど...
抱っこって約束したし。
「この体勢だとしんどいでしょ？翔兄も一緒にベッドにゴロンするからひっついてもうちょっとだけ寝んねする？」
そう聞くとモゾモゾ動いてスペースを作ってくれた。
いったい救急のベッドで兄弟揃って何やってんだか...
でもこれで潤が少しでも楽になるんだったらね、お安い御用。
潤「一緒に寝んね。お手手繋ぐの。」
そう言ってぎゅうーっと手を握り締めてくる。
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作者名：ルパン
| 作成日時：2014年7月7日 21時
