夏風邪(潤)7 ページ50
和サイド
翌朝、部屋で休んでいる潤の様子を見にいくと。
なんと起きて着替えている。え？仕事行くつもりなの？てか勝手に点滴の針抜いてるし。
「ちょっと潤、仕事行く気？今日くらいは休んだほうが良いよ。ってか俺が心配だわ。」
潤「ケホケホ..んんっ、いや休めない。今日はドクターが2人研修会に行ってるからどうしても行かなくちゃ。」
「いやーやっぱりだめだって。昨日38度も熱あったし、脈も乱れてたよ。過労からくる夏風邪だと思うって翔兄も言ってたし。咳もしてるじゃん。」
潤「咳が出るってことは風邪が治りかけてるってことだから大丈夫だって。」
そう言いながら律儀にネクタイまで締めている潤。
本当に仕事行く気だろうなー。無理に引き止めると機嫌悪くなって余計に意地張っちゃうから一緒に出勤して様子見に行ってあげたほうが正解かな。
早くしないと遅れるからって俺を一人部屋に残して階段をスタスタと下りていってしまった。
「ちょっとー待ちなさいよー。」
慌てて後を追いかける。
リビングに入ると翔兄もびっくりした顔で潤を見つめている。
「仕事行くって聞かないの。咳もしてるんだよ潤。」
翔「潤、昨日自分がどういう状態だったかわかってる？」
潤「38度あって脈も乱れてたってさっき和兄から聞いた。」
コーヒーを飲みながらあっさりと答える潤。
翔「それわかってるのに仕事行こうとしてるの？夏風邪甘く見たら長引くし重症化することもあるんだぞ。」
確かに翔兄の言うとおり。たかが風邪、でも風邪は万病の元なんだから。
「ドクター2人いないんだって。だからどうしても行かなくちゃいけないって。」
この2人意地の張り合いでピリピリしたムードにもなりかねないのでちょっと助け舟を出す。
翔「はぁ、潤のそうやって周りに気を使うところすごく良いところだけど、自分のこともちゃんと大事にしてよ。熱だけ測っておいて。午前の外来はいいけど午後からは休みなさい、わかった？」
「ちょっと耳に体温計入れるね。」
素直にじっとしている。
ピピピ。37度3分。微熱...
翔「本当だったら家にいて欲しいけど。この程度の熱ならまあ行ってもいいよ。何回もしつこいけど、午後は休むこと。少しでも具合悪くなったらすぐに連絡すること。わかった？」
潤「はい。」
素直に返事をする潤。潤だって翔兄が心配してくれること嬉しく思ってるはず。
でも仕事休めないときもあるよね。
どうかひどくなりませんように。
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作者名：ルパン
| 作成日時：2014年7月7日 21時
