夏風邪(潤)4 ページ47
翔サイド
猛暑だし食欲もあまりないみたいだし脱水気味なのが心配。
だから結局救急で点滴で水分補給することに。
和のシフトが終わったら迎えに来てもらって一緒に連れて帰ってもらおうかな。
『潤、救急で輸液補給中。
夏風邪の引き始めかな？仕事終わったらお迎えよろしく。』
昼休みも終わって病棟で仕事してるだろうからすぐに返事くるかなーと思ってると。
ビンゴ。
『りょーかい。熱あるの？呼吸器症状は？』
甘えん坊の和も一番下の弟のこととなるとすっかりお兄ちゃん。
『微熱。7度ちょっと。ちょっとだけ腹痛訴えたけど咳は今のところ大丈夫。』
にっこり顔のスタンプが送られてきた。
点滴そろそろ１パック終わる頃かなーと思い潤の様子を見にいく。
すやすや寝息を立ててる潤。おでこにそっと触れてみる。熱も大丈夫みたいだね。
良かったと思っていると、んん？と言ってうっすら目を開けた。
潤「翔にぃ？」
ちょっと寝ぼけてるのかポヨっとした顔がめちゃくちゃ可愛い。
「そうだよ、翔兄ここにいるよ。潤、今ね救急で点滴してるの。お熱ちょっとだけあったしポンポン痛い痛いなったでしょ、さっき。」
優しく言ったつもりなのに何故か目には涙が溢れてきた。
潤「注射いやぁ〜...おうち、おうち、おうち帰るのぉぉーー。連れて帰って〜。」
救急で点滴してるって言っただけなのに...話飛躍しすぎじゃないか。
スクラブの上着の裾を必死で掴んでぎゅーぎゅー引っ張りながら訴える。
「ちょっと落ち着いて潤。和があと3時間くらいしたら迎えに来てくれるから。そうしたら一緒にお家だよ。それまでね、ここで点滴してるだけだから、ね？」
そう言って聞かせてもやだやだとじっとしない。
あんまり暴れると点滴漏れちゃうんだけど...
潤「やだ〜。注射やなのーやー。」
「注射しないよぉー。ほら、ここ見てごらん。ここからね、潤の身体に水分送ってるだけだから。」
手を優しく握ってあげて点滴の針を留置している場所を見せてやる。
潤「痛いのぉ〜。これ痛いの〜。」
漏れてるのかな？
でも見たところ浮腫んだりしてないしちゃんと入ってそうだけどな。
「痛いことないと思うけどなぁ。翔兄のお手手ぎゅーって握れる？」
パーにして掌を見せて指と指が交互になるように。いわゆる恋人繋ぎ。
やっぱり浮腫んでないし痛みもないみたい。
目が覚めたら点滴繋がってたからびっくりしちゃったか。
「まだ痛い？」
恋人つなぎのまま聞くと首を横に振る。
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作者名：ルパン
| 作成日時：2014年7月7日 21時
