夏風邪(潤)3 ページ46
潤サイド
運悪く、いや、運よく？
いややっぱり運悪く、翔兄がいる目の前で急に腹が痛くなってきた。
夏風邪かなー。夏のウイルスはお腹にきやすいって言うもんなぁ。
「..ううぅ。」
つい声が漏れてしまう。
翔「ほらやっぱり辛そうだから、診察台に横になろう。掴まって良いからね、はい、いちにーのさん。」
そう言って立たせてくれてすぐ横の診察台に寝かせてくれた。
「...んんっ」
なかなか治まらない痛みの波も横になってしばらくすると落ち着いてきた。
翔「痛み治まった？37度3分だし、これから熱上がっても困るから今日はもう帰って大人しくしてるほうが良いと思うよ。」
「もう大丈夫だから。」
そう言って起き上がろうとすると翔兄に制された。
翔「お腹診とくからシャツまくってくれる？微熱と言っても熱もあるわけだし。ほら、すぐだからシャツ捲くって膝立てて。」
前に具合悪いのを隠しててひどくなってからばれて怒られたことがあったな。
大人しく言うこと聞いておくべきだな。
「わかった。痛くしないでよ？」
翔「ちょっと触るだけだよ、痛くない痛くない。怖がりさんだなー潤も。お腹以外には何か気になってることとかないの？ここ数日の体調はどう？」
ちょっとお腹診とくだけって言ったのにやっぱり翔兄は色々聞きだそうとするんだもん。
ここ数日ねぇ..
だるかったり疲れやすかったり体重かったり...
ちょっと喉がイガイガしたり食欲なかったり。
早い話、風邪の引き始めかなーなんて自覚は十分すぎるくらいある。
「ん？まあちょっとだりぃ。」
遠慮気味にまくってたシャツをかなり上までまくりあげられた。
ベルトも外されパンツも下着も腰骨辺りまでグイっと引き下げされる。
慣れた手つきの翔兄にはかなわない。
翔「ちゃんと水分しっかりとってる？ちょっと肌カサカサしてるけど。お口あーんして。」
顔を覗き込むように急に翔兄の顔が接近してきた。
言われるがままに口をあける。
翔「口内粘膜も乾燥してるね。食欲は？ちゃんと食べてる？」
「ん？まあ...」
翔「早い話、数日体調悪いってことね。お腹触るよ。痛いのどこかなぁ。」
翔兄に隠し事なんてできないな。
翔兄の大きな優しい手がお腹にのっけられる。
丁寧にゆっくりとなでるように触れられる。
翔「下してない？吐き気は？ここ押さえても痛くない？」
「ん。だいじょぶ。」
翔「今日は仕事終わりにして体休めなさい、わかった？」
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作者名：ルパン
| 作成日時：2014年7月7日 21時
