夏風邪(潤)1 ページ44
智サイド
「雅が聞いてよー。ね、ほら今度美味しいから揚げ作ってあげるよー智兄特製のからあげ。だから、ほらちょっと聞いてみてって、お願い。」
雅「えーなんでいつも皆俺に押し付けるのさー。智兄が一番年上でしょ、こういう時こそ長男の威厳でびしっと決めてよー。」
何をもめてるのかというと...
ここ数日機嫌の悪い潤。でも家族思いだしいい加減なことしたくないタイプだから家事もいつもどおりしてくれてるんだけど、時々恐ろしいほどのため息をつく。
ソファにどさっと倒れこみゴロゴロしてることもある。
咳払いしたりしてるから風邪の引き始めなのかなーっておおよその見当はついてるんだけど。
なんせ体調を崩し始めたときの潤はねーどうやって取り扱って良いかわからない。
「雅のほうがさ、ほら場を和ませるの得意じゃない。それにその笑顔で話しかけられたら潤もきっと話してくれるって。」
本当は長男として僕が潤に聞けば良いんだろうけどなんせ潤ちゃん怖いから...
雅「もうーわかったよー。その代わりちゃんと智兄も援護射撃してよー。俺ひとりぼっちとかにしないでね。」
「当たり前よー。とっかかりさえ頑張ってくれたら後は僕がどうにかするから。ありがとうね雅。」
僕と雅は潤が作ってくれた晩御飯を食べ終えたところ。
潤はというとソファに寝転がってる。
でも何度も寝返りを打ってるからきっとどこかしんどいところがあるんだろう。
椅子から立ち上がった雅の両肩をぽんと叩いて背中を押す。
雅「じゅ〜ん、今日も美味しいご飯ありがとうねー。潤は食べてないけどお腹空かないの？疲れてる？」
潤「...」
潤の返事が聞こえてこない。
それでもめげずに雅が話しかけてくれてる。
雅「暑い毎日続いてるもんねー、夏バテっぽいのかな？ソファで寝転がってるけどどこかしんどいところあるの？」
潤「...いや、別に。」
本人に否定されるとどうしようもない...
雅「なら良いんだけど。疲れて夏バテっぽいなら栄養ドリンクとかちゃんと飲んで風邪引かないようにね。夏風邪は長引いて治り悪いから。」
潤「...わかってるって。」
雅が肩をすくめてこっちに戻ってきた。
「いつもにも増して手ごわそうだね。」
雅「だね..これ以上どうしようもないよ。翔兄帰って来てから強引に聞き出してもらうか、様子見るか。」
「まあ数日は様子見ても大丈夫そうだよね。」
雅「夏バテならゆっくり身体休めたら大丈夫だと思うよ。」
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作者名：ルパン
| 作成日時：2014年7月7日 21時
