風邪(和)8 ページ40
翔サイド
ベッドの背を立てて上体を起き上がらせるとなぜか急に恥ずかしがってタオルケットをすっぽりとかぶってしまった和。
智「かずぅ、隠れてないで出ておいで。翔が喉痛い痛いのどうなったかなーって見たいって。」
智兄がタオルケットの上から和の頭をポンポンしながら話かけている。
和「痛いもん...ずーーーっと痛いもん。」
智「じゃ尚更診てもらわないとね和。顔出して、お口あーんてするだけだよ？」
和「あーん。」
いやいやタオルケットの中に隠れたままあーんってされてもね。
「かずー出ておいで〜。喉まだ痛いんだったら痛み止め追加できるし炎症抑えるお薬もいれてあげられるよ。ほーら早くお顔出してくださ〜い。」
なかなか出てこないので、こうなったらお腹こちょこちょ作戦だ。
タオルケットの上から和の脇腹を掴んでこちょこちょしてやる。
ひゃっひゃっと言いながら身体をクネクネさせてる。
もうちょっとで出てくるはずだと思ってしばらくこちょこちょしてるといい加減諦めて顔を出してくれた。
「やっと出てきたね和。はい、じゃあーんして喉見せてね。」
舌圧子を袋から取り出しペンライトを構えると遠慮気味に小さく口を開けた和。
智「もっと大きくあーんしないと喉見えないよ。はい、あーーーん。そうそう、えらいえらい。」
智兄が和の頭を良い角度に固定してくれてるから喉の奥までよく見えた。
それにしてもまだまっかっか。腫れあんまり引いてないな。
「あらららーまだまっかっかだわ喉。ごっくんできる？この分だと熱も下がってなさそうだね。」
ペンライトをポケットにしまって枕元の体温計に手を伸ばす。
可愛い耳にいれようとすると両手で耳を塞いじゃった和。
でもすぐに智兄に手を握られてあっけなく終わってしまった抵抗...
「よいしょっと。お熱何度かなぁ？あらら、38度1分だって。」
智「あらま。今点滴何いれてるの？」
「抗生剤と解熱鎮痛剤。和、シロップだったら飲めそう？そうか錠剤のほうが良い？トランサミン飲んだ方が良いと思うんだけど。」
和「んんーー。やぁ〜。」
「でもこのままだと痛み長く続きそうだよ？肌もカサカサしてるし、口の中の粘膜も乾いてるから点滴も追加しないといけないと思うんだけど。」
和「お家帰るのぉーー。病院やぁ〜。」
入院するなんて一言も言ってないけど俺...
「夕方一緒にお家帰れるようにお薬頑張って飲もうな。翔兄ずっとそばにいてあげるからさ。シロップにする？」
和「....」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 677人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ルパン
| 作成日時：2014年7月7日 21時
