風邪(和)6 ページ38
翔サイド
嫌がってぐずる和に辛抱強く付き合い宥めながらなんとか点滴と吸入をさせたのが1時間ほど前。
ぐずぐずするのにも体力を使うのか、案外すぐに眠った。
どうしてるかなぁと様子を見に行くことに。
カーテンをそーっと開けて覗くと、タオルケット包まって小さくなってる和がいた。
本当になんでこんなに可愛いのかなぁ和は。
ついついほっぺたツンツンしたりぷにぷにの手ぎゅーっと握ったりして寝てるの邪魔したくなっちゃう。
そっとベッドサイドに近づきおでこと首筋に触れてみる。
まあさっきより若干ましっていう程度かな。そんな急に熱も下がるわけないし。
くぅ〜んと言いながらモゾモゾ動く和。
うひゃー子犬みたいな可愛さだ。
うっすらと目を開けて様子をうかがってる。
「ごめん、起こしちゃった？せっかく寝んねしてたのにごめんね。どう？少しは身体しんどいのましになってるかな？」
和「くぅぅ..うう。くぅ〜ん。」
なんだその反応。全然わかんないよ。
「どした？まだ喉痛い痛い？咳は少し治まってるみたいだけど。」
小さい背中をさすりながら声をかける。まだ熱ある感じが伝わってくる。
和「喉渇いたの。」
「何飲みたい？持ってきてもらうよ。」
和「一緒に行くのぉー。」
そう言って手を差し出してくる。
まさか抱っこで自動販売機まで行くってこと？
まあ今忙しくないし和がそうしたいなら良いけど。また視線浴びちゃうよ。
「一緒に自動販売機まで行くの？」
こくんとうなづくので少し前かがみになり両手を広げた。
すっぽりと腕の中におさまり首に手を回してくる。
点滴スタンドを押しながらゆっくり歩いてセンターを出る。
「りんごジュースにする？オレンジが良い？でもオレンジだと喉にしみそうだね。」
和「...りんご。」
自動販売機の前まで来てお金を入れる。
子供みたいな和の手がりんごジュースのボタンをギュっと押している。
紙パックにストローさすと大事そうにパックを両手で握りしめてチューチュー飲んでる。
しっかり水分も取れてるみたいだし良かった。
「美味しい？」
返事する代わりにコクンコクンと2回頷く。
「冷たいのあんまり勢いよく飲んだらポンポン痛い痛いなるよ？その時は智兄に撫で撫でしてもらったら良いか？」
また2回コクンコクンと頷く和。
あまりにも可愛いので頭をくしゃくしゃっと撫でてやった。
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作者名：ルパン
| 作成日時：2014年7月7日 21時
