風邪(和)4 ページ36
翔サイド
「お迎えにきました〜。かずぅ、お熱出ちゃったの？しんどいなぁ可哀相に。一緒に救急行こうね。はい、ここおいで。」
呼吸器の外来診察室に入ると診察台に腰掛けた智兄の膝の上でちょこんと丸くなり思い切り智兄に抱きついている和がいた。
智「喉がよっぽど痛いのか熱で全身がだるいからなのかグスングスン泣いてるの和くん。」
時々しゃっくりが出るのか体がぴょこんぴょこんと揺れている。
「そんなに高熱なの？」
智「37度8分だったかな。でもまだ上がるかも。喉結構赤くなって腫れてるから。」
熱のせいか智兄にひっついてるせいか汗をかいてる和。
前髪がぴたりとおでこについている。
掌で前髪をかきあげ額に触れてみる。確かに熱いな...
「じゃ救急で点滴して様子見るわ。夕方まで安静にしてればまあ帰宅しても大丈夫だと思うけど。抗生剤も消炎剤も一緒に点滴にいれちゃう。」
智「かーず、翔と一緒に行っておいで。後からお迎え行ってあげるから、ね？痛いの痛いの飛んで行け〜ってしてもらわないとしんどいでしょ？」
和「やぁ...痛いことするもん...」
そう言って智兄の白衣の袖をギューッと掴んでる。
智「でも今のままでも痛い痛いでしんどいよ？お熱もあるし。翔が優しく診てくれるから怖くないし痛くないんだよ？」
和「...んーっ...」
だいぶぐずってるな。
このままここにいても体力落ちるだけだからそろそろ抱っこして連れて行こうか。
「和、こっちおいで。翔兄と一緒に痛いの痛いの飛んでいけーしに行こう。はい、よいしょっと。」
智兄の膝から和を受け取り抱っこする
おおー身体やっぱり熱いなぁ。この分だと熱上がっちゃうかもしれないなー。
やだぁ〜って言いながらも俺の体にしがみついてくる和。
ふふふ、甘えん坊和くん大好きですよ、翔兄は。
智「じゃ和のことよろしくね。夕方迎えに行くけどそれまでに手に負えなくなったら遠慮なく呼んでね。」
甘えん坊和くんのわがままは時々1人では手に負えないからね。
そう言ってくれると心強い。
「ありがとう。じゃ和、行こうか。ゆっくり歩いて行こうね〜。喉痛いのとお熱以外は大丈夫？コンコン酷くなってない？」
背中を優しくトントンしながら歩いて呼吸器の外来を出て待合に出るとたくさんの視線を感じた。
まあねー大きな赤ん坊抱っこしてるからねー。
しかもここのドクターだし...
でも和自身は全然気にしてないみたいだからいいや。
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作者名：ルパン
| 作成日時：2014年7月7日 21時
