兄達と旦那さんはスーパードクターズ 18 (ページ35)

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風邪(和)3 ページ35

智サイド

午前の外来が始まる前の翔からメールが入っていた。

『和、喉ちょっとだけ赤くなってるから時間あったら外来の間に覗いてあげてくれる？呼吸音は問題なかった。鎮痛剤だけ飲ませておいた。』

学会に出てその後の懇親会、それからすぐにAの様子を見に救急までかけつけた翔。
それに加えて調子の悪い和のことまで気にかけて。
本当に翔は兄弟のこと良く見てるなー。感心しちゃう。

いつもと変わらず忙しい外来。
ちょっと休憩しようかなと時計を見上げるともう11時半。
本当なら12時で午前外来は終わりのはずだけど時間通りに終わることなんてない。

「ちょっと隣の呼吸器まで行って来るけど10分もしないで戻ってくるから。」

担当のナースにそう伝えて診察室を出る。
呼吸器外来の待合にもまだたくさん人がいてる。この分だとまだ後最低でも1時間はかかるだろうなー。

「かずぅー。調子はどう？」

和の診察室から患者さんが出て行ったのを確認してから顔を覗かせる。

和「んー？」

あんまり調子良さそうじゃないね。
ボーってしてる感じがする。熱でも出てきちゃったかな。

「はい、あーんして。」

和の机からディスポの舌圧子を手に取り袋を破る。
何？みたいな顔してこっちを見てる和の目は少しだけ潤んでる。

「あーんだよ、和。」

もう一度言うと素直に口を開けた。

「あらら、結構腫れてるなぁ。鎮痛剤飲んだの何時だった？だいぶ痛いでしょ、これだと。」

首に触れながら聞く。

和「痛いっ..」

リンパ腺も腫れてきてるなぁ。熱出るのも時間の問題かも。

「ごめんごめん、痛かったね。喉だいぶ赤くなって腫れちゃってるよ。抗生剤飲んだほうが良いわ。熱もありそうだし。」

体温計を手に取り和の可愛い耳に挿入する。

ピピピ。37度8分。やっぱり。

「お熱もあるし。もう今日は仕事お休みしよう。後何人患者さん待ってるの？他の先生に代わってもらって和はもう寝んねしような。」

そう言っても熱のせいで頭がボーッとしてるのかいまいち反応が悪い。
翔に連絡して迎えに来てもらったほうが良さそうだね。

「あ、和、扁桃腺炎で熱も出てきた。まだ外来中だけどもう今日はお休みさせる。」

『まじで？じゃ今から迎えに行くね。救急で引き取って面倒見るわ。』

「翔がお迎えに来てくれるからね、和。」

そう言って頭をなでるとそのまま引っ付いてきた。
やっぱり熱もあって喉も痛くてしんどいんだね、かわいそうに。