風邪(和)2 ページ34
和サイド
実は昨日からちょっとだるいなぁっていう自覚はあったんだけどAの事故の騒ぎでそれどころじゃなくて。
でも救急のストレッチャーで服も着替えずそのまま寝てしまって...
朝、目が覚めたら喉が...痛い...結構イガイガしてる。
外来始まる前にトローチでも舐めとこうかなって思ってたのに勘の鋭い翔兄に気づかれちゃったみたいだ。
赤くなってるであろう喉を診られたら仕事休んでゆっくりしろーとか言うに決まってるから、ここは断固拒否！口開けないもん！って思ってたんだけど...
鼻をつまんでくるっていう翔兄のちょっと意地悪な手にかかりプハーって口あけちゃった。
と思った瞬間、舌圧子が入ってきた。
目の前には笑顔であーんって言ってる翔兄がいる。
思い切り目を細めて意地悪そうな顔をしてにらみつけてやる。
翔「あーって声出してみ、和。もうちょっと上向いて。はーいそうそう、よく見えたよー。よしよし、えらいえらい。」
和くんご機嫌斜めでにらみつけてるのに全然へこたれない翔兄。
翔「両側とも赤くなってるよ、痛みどの程度？」
聞きながら両手で首のリンパ節を触診してくる。翔兄の手好きだなぁ。
ってつい心を許してしまいそうになる。
「痛くないもん。ぜんっぜん痛くないっ。」
翔「ほんとに？あかーくなってたよ？痛み止め処方してあげられるし、念のため抗生剤も。後から酷くなってお熱出たら嫌でしょ？」
それは困る...
この暑い中、熱で苦しむなんてまっぴらごめんだ。
「ちょっとだけ...痛い..イガイガするの...」
翔「そっか。ごっくんはできる？」
こくんと頷くと頭をぽんぽんと優しくなでてくれた。
翔「じゃ痛み止め出しておこうね。あと水分はいつもよりしっかり多めに取るんだよ。お昼休みにもう一回喉診に行くから外来の診察室で待っててね。じゃ、もしもしするからシャツ捲くって。」
え？喉診るだけじゃないの？
「...もしもし、いらない...ケホッ。」
タイミング悪く咳出るし...
翔「でも咳出てるよ和。喘息出たら困るから、ね？」
手に取った聴診器をベッドの上に一旦置いてシャツを捲くりあげてくる翔兄。
翔「はい、ここちゃんと持っててよ。」
胸の上まで捲くりあげられたシャツを持たされて、お腹も胸も丸出しなんだけど俺...
翔「はーい、じゃ深呼吸してくださーい。吸ってー吐いてー、はいもう一回。そうそう、大きく吸ってー吐いてーだよ和。」
咳がケホケホと出るたびに翔兄が背中をトントンてしてくれる。
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作者名：ルパン
| 作成日時：2014年7月7日 21時
